『ジェシカが駆け抜けた七年間について』(歌野晶午)
昨年の話題作『葉桜の季節に君を想うということ』の著者、歌野晶午さんの新刊です。ちなみにこのサイトの名前は、前作『葉桜の季節に…』から勝手にいただいたものです(詳しくはプロフィール参照)。
『葉桜の季節に…』のトリックがわかった時は、「え~!!! そうだったの~(@_@)!!!」という感じだったのですが、この「ジェシカが駆け抜けた…」の場合は、「あー、そうなんだー」という感じでしょうか。前作の衝撃が強烈だった分、今回は衝撃や感動が弱かったように思います。「エチオピア時間」が鍵になりそうなことは予想ができましたが、まさかそういうものとは……。ネタばれを避けるために、これ以上は差し控えます。
ただ、トリックがわかってから、改めてこの小説の構成やタイトルを考えてみると、よくできた小説であることを実感します。そして、ジェシカの生き方に共感し、彼女の夢を応援したくなります。歌野さんの小説はこの2冊しか読んでいませんが、両作品に共通しているのは、トリックの面白さと読後の爽快感。今度はまったく違う種類のトリックで、私たち読者をあっと言わせてほしいです。
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