日野宿本陣――新選組ツアー(3)
日野宿本陣は、日野宿名主、佐藤彦五郎の屋敷跡。佐藤彦五郎は土方歳三の姉の夫にあたり、新選組に大きな影響力を与えた人物です。屋敷の一画に「佐藤道場」(現存していない)を開き、天然理心流の門人の稽古に開放していたそうで、つまりここは、近藤勇と土方歳三の出会いの場であり、やがて新選組の隊士となる沖田総司や井上源三郎たちが頻繁に出入りしていた、新選組の発祥の地です。
そんな貴重な建物ですが、なんとびっくり、去年まではお蕎麦屋さんだったそうな! それを日野市が買い取って(たぶん、大河ドラマの放映決定で)、今年の10月末まで一般に公開しているわけです。だいぶ前に佐藤家から他の人の手に渡っているそうですが、取り壊されてマンションなどに変わらなかったことは幸いでした。
彦五郎の直系の子孫、福子さんが簡単にお話ししてくださったほか、ボランティアの方が屋敷内を案内してくださり、興味深いお話をたくさん聞けました。そうそう、土方のあの写真の原版は、この福子さんの所有なんですって! 歳三忌の前後、ふるさと博物館で公開されるそうです。
近藤や土方は、ここでどんなことを考え、どんなことを思ったのでしょう……浪士組として上洛する前に、京で新選組として活躍する合間に一時戻った時に、京を追われ江戸に戻ってから甲府に攻め入る前に……ふとそんなことに思いをめぐらせました。「歴史上の人物」にすぎなかった新選組に、一歩近づけたような気がする一日でした。
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