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2004/06/01

遠藤周作の本

 実家の元・自分の部屋の一角には今でも私の本棚があり、学生時代から結婚前までに読んで「取っておきたい本」が並んでいます。結婚前に大部分を処分しましたが、その本棚に収まる分だけ残してあるのです。その蔵書のメインは遠藤周作の本です。単行本と文庫本あわせて30冊くらいはあるでしょうか。

 私は中学から10年間、プロテスタント系の学校に通いましたが、そこで毎日の礼拝や聖書の授業で学んだのと同じくらい、遠藤周作のキリスト教観に影響を受けました。クリスチャンにはなりませんでしたが、そうした精神的基盤ができたことは、生きていくうえでとてもよかったと思っています。

 狐狸庵先生のユーモアエッセイ、軽めながら人生を遠藤風に鋭く捉えた中間小説、正面からキリスト教に向き合った純文学と、幅広い作品のどの分野も好きでした。人の弱さを受け入れてくれる母なるキリスト教というものが作品の底にあり、自分も赦され癒される気がしました。また、「人生には何一つ無駄なことはない」という考え方も教えられました。

 私のお気に入りベスト3は、『沈黙』『私が・棄てた・女』『女の一生』。
『沈黙』は遠藤周作の代表作であり、日本文学の名作。ポルトガル人宣教師が拷問の末、踏み絵を踏む時に聞こえる「踏むがいい、お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている…」という声は、いつしか私のキリスト像になっています。
『私が・棄てた・女』は、ハンセン氏病の施設に入院することになった森田ミツが、誤診とわかった後も施設で働くことを決意し、崇高な愛を貫く話。数年前、ミュージカル化された舞台を観ましたが、原作のエッセンスを凝縮した感動的な作品でした。
『女の一生』は2部構成で、1部は幕末時代に切支丹の少年を愛したキクの話、2部は昭和初期から戦争時代にキクの孫サチ子がクリスチャンの少年を愛した話。とくに、キクの無償の愛に心打たれました。

 その他、『深い河』『イエスの生涯』『海と毒薬』『死海のほとり』『王妃マリー・アントワネット』『楽天大将』なども好きです。これらの本を再読してみたい、そして、いつか長崎にある遠藤周作文学館を訪れたいです。

沈黙 (新潮文庫)
わたしが・棄てた・女 (講談社文庫 え 1-4)
女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)

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コメント

音楽座ミュージカル「泣かないで」をご覧いただいて本当に有難うございました。
2009年12月から来年の2月まで、東京・相模大野・大阪で4演目の上演があります。
初演と同じエネルギーを掛けて、胸打つ舞台をお届けしたいと思います。
一度ご連絡が取れますと嬉しいです。
お待ちしております。

投稿: 石川聖子 | 2009/09/12 19:12

>石川聖子さん

 はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

 音楽座のプロデューサーの方でしょうか? 音楽座ミュージカルが復活して嬉しいかぎりです。これからも音楽座の素敵な作品を継承し普及させてくださいね。あちこち観たい舞台が目白押しでなかなか手が回りませんが、いつかまた拝見したいと思います。「泣かないで」のご成功をお祈りしています。

投稿: Tompei | 2009/09/14 07:26

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