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2004/06/08

とんでもございません

 読売新聞朝刊に連載されている「日本語の現場」というコラムを毎日、興味深く読んでいます。

 今日のテーマは「とんでもない」。「とんでもない」の「ない」は「危ない」の「ない」と同様、「無い」という否定語ではないので、「あぶございません」と言えないように「とんでもございません」は文法的には誤りである。しかし辞書によっては、「『とんでもありません』『とんでもございません』の形でも使う」とか「『とんでもございません』は『とんでもないことでございます』の新しい言い方」と出ている。ところが、ホテルオークラでは「とんでもございません」を禁じ、「とんでもないことでございます」と言うよう指示している、というのが要約です。

 私もOL時代にこのように教えられ、「とんでもございません」は正しい使い方でないことは知っているのですが、知っていながら使ってしまう言葉でもあります。「とんでもない」では丁寧さに欠け、「とんでもないことでございます」と言うほど形式ばらない関係の時、「とんでもございません」は語感もよく、程よい丁寧さがあって、「とんでもない」気持ちを伝えるのにぴったりという気がするのです。不思議なことに、「とんでもございません」と使いたい時に限って、思い浮かぶ言葉とも言えるほどです。

 日頃、正しい言葉遣いを目指している私ですが、この言葉に関しては曖昧な態度になってしまいます。実にいい加減なものです。

追記(2007年2月26日):

 文部科学相の諮問機関・文化審議会が今月、文部科学相に提出した「敬語の指針」に次のような記述がありました。

 「とんでもございません」(「とんでもありません」)は、相手からの誉めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現であり、現在では、こうした状況で使うことは問題がないと考えられる。(中略)

 謙遜して、相手の誉めや賞賛などを打ち消すときの「とんでもございません」は、「とんでもないことでございます」とは、あらわそうとする意味が若干異なる。(中略)あなたの褒めたことは「とんでもないことだ」という意味にも受け取られるおそれがあるので、注意する必要がある。


 「とんでもございません」は本来は誤用だけど、「謙遜して褒め言葉を打ち消す時に使ってもかまわない」とお墨付きをもらえたことになります。
 

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コメント

手元に朝日新聞社の「とっさの日本語便利帳」というのが有ります。
その中に「汚名挽回」というのは間違いで、「名誉挽回」が正しいと有りました、言われてみればその通りですが、私の常識もいい加減です。(苦笑)
毎日読んでるとは凄いですね。

投稿: mino | 2004/06/08 22:06

 minoさん、おはようございます。

 汚名は「汚名返上」ですね。わかっていても、とっさの時についうっかり間違えそうな言葉です。言葉は生(なま)ものだから面白い……そして難しい。間違いやすい言葉などがあったら、また取り上げてみたいと思います。

投稿: Tompei | 2004/06/09 07:35

Tompeiさんが、日本語を大事になさっていることは、随所にうかがえます。最近乱れてますので、ぜひ見習いたいと思います。

「とんでもございません」は、私の職場でも、お客様に対し、所長が最もよく使い、それに習い(?)所長と同年代の職員の一人が使い始めて、とても違和感があります。
かなり年上の方に、それを指摘することもできず、お客様への印象が悪くならないかと懸念しています。(-_-;)
私自身は「とんでもない」自体をなるべく使わないようにしています。
使う場合は「とんでもないです」と、さらりと使うようにしています。
謙った言葉なのでしょうけれど、個人的には、とても大それたことに使われるようなイメージがあり、たいしたことないのに「とんでもない」って、大袈裟な表現に感じますね。

投稿: (^o^)丿mee | 2004/06/10 01:04

 meeさん、おはようございます。

>ぜひ見習いたいと思います。 

いえいえ、とんでもございません……もとい、とんでもないです(^^ゞ。meeさんのように違和感を感じる方もいらっしゃるので、今後は使わないように気をつけなくては! ここではえらそうなことを書いていますが、ふだんの言葉遣いはひどいものです(^^;)。言葉遣いはその人の生きてきた過程が表れるので、とてもこわいです。

投稿: Tompei | 2004/06/10 08:36

お邪魔しております。お久し振りです。
『とんでもございません』についてこちらでも紹介させて頂いたのが2年以上前とは…早いものですね。僕は未だに『とんでもございません』の言葉がつい出てしまうことがあります。記事を書いたのに少しも身に付いていないようです。

投稿: masalog | 2007/03/16 23:46

>masalogさん

 ご無沙汰しています。コメント嬉しく拝見しました。この記事にトラックバックをいただいていたんですね。masalogさんというと、私の中では「踊り字」のmasalogさんという印象があります(^^)。

 上の記事に追記しておきましたが、「とんでもございません」は最近、文部科学省のお墨付きをもらえたようですよ。本来は誤用だけど、もう一般化しているんでしょう。言葉は変わりゆくものなんですね。

投稿: Tompei | 2007/03/17 02:10

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この「とんでもございません」という日本語表現は、間違いだそうです。 Tompei さんの記事を読んで、知りました。■とんでもございません(葉桜日記)「とんでも... [続きを読む]

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