ついに芹沢鴨粛清
とうとう芹沢鴨が死んでしまいました――昨日の大河ドラマ『新選組!』の話です。昨日はひさびさに、いや、今までで一番中味の濃い45分だったように思います。
芹沢鴨は史実では寝込みを襲われたはずですが、佐藤浩市扮する芹沢にはあの演出が似合っていました。彼の入魂の演技にすっかり釘づけ……最期までかっこよすぎる! 男の強さ、傲慢さと、その反面の弱さ、哀しさをあそこまで見事に表現できるのは、佐藤浩市ならでは、と改めて彼の存在感に感服しました。浪士組の上洛以降、3ヵ月間の主役は間違いなく佐藤芹沢でした。
この芹沢の粛清がきっかけになって、近藤勇はじめ試衛館メンバーが新選組隊士としての自覚を高め、京の街を震えあがらす殺戮集団に変貌していくわけですね。佐藤芹沢はそれを望んでいたように受け取れました。「俺を乗り越えて、強くなれ」と。それはまた同時に、試衛館メンバーのキャストに対する佐藤浩市自身のエールでもあった気がします。うがった見方かもしれませんが。
鬼になる覚悟を決めた土方、それに同調した近藤、芹沢に刀を向けた沖田……この3人をはじめとする隊士たちが、これまでになく頼もしく見えてきました。慎吾ちゃん、山本くん、藤原くんたちには、佐藤浩市(敬称略がぴったりくるので失礼)から得たものをぜひ今後の演技に生かしてほしいです。
多摩の時代に3ヵ月、芹沢の時代に3ヵ月かけて、前半ゆっくり進んできた『新選組!』はこの先、急展開しそうで、楽しみでもあり、一抹の不安もあります。撮影のほうはたぶん山場近くになっていることと思いますが、脚本の三谷さんをはじめ、スタッフ、出演者の方々、最後まで全力を尽くして頑張ってください。
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