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2004/07/08

田辺聖子の本

 何年かぶりに田辺聖子の本を読みました。宝塚公演『スサノオ』を観劇して、古事記を読んでみたくなり、『田辺聖子の古事記』を図書館で借りてきたのです。

 OL時代、田辺聖子の小説やエッセイを愛読していました。長いこと、独身のままOLを続けていた私は、ハイミス(死語?)の心理を鋭くも優しい目で書いた田辺さんの小説を読んで、心を癒し、元気をもらっていたのです。ほろ苦い恋物語の中にあたたかさがあり、読んでいるうちに「人生って捨てたもんじゃない」と前向きの気分になれて、後味はいつも爽快でした。

 田辺さんの作品のヒロインはたいてい関西人で関西弁を話すので、東京っ子の私には最初、とっつきにくい感じがしましたが、慣れてしまえばかえってそれが心地よく響きました。

 中でもお気に入りは、『愛してよろしいですか』と続編の『風をください』。34歳のハイミスと12歳年下の大学生の恋物語……一見リアリティがないような設定だけど、これがとてもいいんです! ヒロインと同年代の女性にとって、ファンタジーのような小説で、元気が出ること間違いなしです。

 もう一作、枕草子を小説にした『むかし・あけぼの』も大好きです。これは、清少納言の視点で平安時代の宮中のようすを語った小説で、読んでいるうちに知らず知らず清少納言に感情移入している自分に気づきます。時代も境遇も全然違うのに、清少納言が身近な存在に感じられ、共感を覚えるのが不思議なくらいです。

 少し前に『ジョゼと虎と魚たち』が映画化されましたが、この映画を観た若い世代の人たちにも、田辺聖子の小説の世界を知ってほしいと願ってやみません。

田辺聖子の古事記 (集英社文庫)
田辺聖子の古事記 (集英社文庫)

愛してよろしいですか (集英社文庫 75-D)
風をください (集英社文庫)
むかし・あけぼの―小説枕草子〈上〉 (角川文庫)
ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

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コメント

Tompeiさんも田辺聖子さんが好きなんですね。私は主にエッセイの方を読んでいて「ラーメンにえたもご存じない」「スヌー物語」(大きなぬいぐるみのスヌーピーと田辺聖子さんのエッセイ)が好きです。小説の方は昔、妹の書棚に「休暇は終わった」があったのを拝借して読んだこともありました。出版社に勤めている30代のヒロインと同棲している年下の男の子の話でこれもよかったですね。実は田辺聖子さんには一度だけお会いししたことがあります。梅田の紀伊国屋のサイン会で本を買って並んで自分の名前も入れてもらったのです。(かなり前ですが)黒のヴェルヴェットのドレスで杖をついていられてテレビで見るより小柄な方でした。一緒に付き添っていた男性が確か「カモカのおっちゃん」のモデルになったご主人でした。作品をもう一度読み返してみようと思います。

投稿: みかん | 2006/07/01 14:12

>みかんさん

 田辺さんの小説やエッセイは、関西弁を交えてやさしい日本語で書かれているのに、人生や恋愛についての辛口のアフォリズムが満載で、いろいろなことを教えてもらったような気がします。

 私は『星を撒く』というエッセイ集が大好きでしたが、保管しているはずの実家の本棚に見当たらず、つい最近、ヤフオクで入手しました。図書館で借り出して読んだら、どうしても手元に置いておきたくなったんです。絶版で書店では買えないんですよ。とてもいいエッセイ集なのに惜しいことです。

投稿: Tompei | 2006/07/02 12:00

Tompeiさん、NHKの朝ドラで田辺聖子さんとカモカのおっちゃんを描いた「芋 たこ なんきん」がはじまりましたね。毎日楽しみで見ています。
主役の藤山直美さんがおっとりと優しい関西弁で演じておられるので後味がすっきりしてほっと一息つけるようなドラマです。自分が若い頃だったらおもしろいと思ったかどうか?やはり年を重ねただけ、少し人生の重みが分かってきたのかなという気がしています。聖子さん自身には子供がなかったので、義理の子供たちが成長して巣立っていくのが寂しかったとエッセイの中で書いておられました。
実際のご主人は、たしかもう亡くなられたそうですが。

投稿: みかん | 2006/10/19 13:41

>みかんさん

 こんにちは。

 『芋たこなんきん』、この前ちらっと見ました。毎日15分ずつというのが性に合わないので、連続して見ているわけではありませんが。BSで週末にまとめて見ればいいのかも?

 田辺さんは数年前にご主人を亡くされています。その頃のことを書いた日記『残花亭日録』もそのうち読んでみたいと思います。

投稿: Tompei | 2006/10/20 11:09

はじめまして。
今回、田辺聖子さんのことをブログに書き「田辺聖子」というキーワーでフラフラとしていたら、こちらに辿り着きました。
私も『愛してよろしいですか』が一番好きな作品です。
一時、田辺さんの作品を読みまくっていたのですが、続編があることは知りませんでした。
今度、読んでみたいなと思います。
『芋たこなんきん』も見ています。細切れですが…(笑)。

投稿: SUNU KANA | 2006/11/02 02:09

>SUNU KANAさん

 はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。

 『愛してよろしいですか』を読んだ当時(もうだいぶ前ですが)は、ワタルくんみたいな若い彼が欲しいと思ったものです(笑)。ハイミス時代、元気をたくさんもらった本でした。『風をください』もぜひ読んでみてくださいね。

 心配性で片付け下手……私も同じです! これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: Tompei | 2006/11/02 09:39

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