戦争だけはございませんように
前の記事の『昭和史』の中から、印象的な言葉を引用しておきます。昭和12年とは、「中国を一撃すべし」の空気がしだいに強まり、夏に日中戦争が始まった年です。
野上弥生子が年頭の新聞に書いた言葉。
……たったひとつお願いごとをしたい。今年は豊年でございましょうか、凶作でございましょうか。いいえ、どちらでもよろしゅうございます。洪水があっても、大地震があっても、暴風雨があっても、……コレラとペストがいっしょにはやっても、よろしゅうございます。どうか戦争だけはございませんように……
永井荷風の2月14日の日記。
日本現代の禍根は政党の腐敗と軍人の過激思想と国民の自覚なき事の三事なり。政党の腐敗も軍人の愚行も、これを要するに一般国民の自覚に乏しきに起因するなり。個人の覚醒せざるがために起こることなり。然り而して個人の覚醒は将来に於てもこれは到底望むべからざる事なるべし。
| 固定リンク
コメント
国民の大多数は戦争に反対だと思いますが、何故か政治家も経済界も、憲法改正や武器輸出の自由化を言い始めました。静かに戦争に向かっているようで、心配です。戦争に協力したマスコミの戦後の反省は何だったのでしょう。
今一度思い起こして欲しいものです。
投稿: mino | 2004/08/04 21:56
>minoさん
コメントをありがとうございます。
昭和の初めも、国民の大多数は戦争反対だったはずですよね。そう考えると、怖さをひしひしと感じます。minoさんのサイトでもいろいろ勉強させていただいています。
投稿: Tompei | 2004/08/04 23:46