『幻夜』(東野圭吾)
2段組500ページ以上の長さが気にならずに、あっという間に読了しました。テンポのよさ、ストーリー展開の面白さはさすが東野作品です。
関西大震災直後の混乱の中、亡き父親の借金返済を迫る叔父を殴り殺した水原俊也は、まさにその時、新海美冬と出会う。俊也と美冬はその後、東京に出て、新たな人生を歩み出すが、美貌と才能に溢れた"謎の女性"美冬のまわりではさまざまな事件が起こり、やがて……という内容。
この『幻夜』は、2002年に発表された『白夜行』の続編とも言われています。確かに、美冬は『白夜行』のヒロイン雪穂とだぶる気はしますが、残念ながら『白夜行』の細部まで覚えていないため、この点について深く語ることができません。この機会に『白夜行』を再読してみたいと思います。
彼女(注:美冬のこと)はなぜあそこまでやるのか。何が彼女を動かすのか。あくまでも冷徹に、計算高く、そして残酷に。
この謎は『幻夜』を読んだだけではわからず、もどかしさが残ります。そこに想像の余地を残したのは作者の計算かと思いますが、やはり美冬の過去を知りたい! その後も知りたい! ラストも、ドラマなら「次回につづく」というテロップが出そうな感じさえして、続編を期待してしまいます。
追記(2004年9月26日)
『白夜行』再読の感想:こちらへ
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コメント
美冬=雪穂は前提かのような捉え方をされてる読者が多いようですが、
私は別人と感じましたし、
同一にしろ、少なくとも、読者に迷わす意図があると思いました。
未だ謎が多いので、第三部がありそうな気配です。
投稿: 麓絵里 | 2005/11/22 23:53
>麓絵里さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
美冬=雪穂かどうかを含めて、謎が多いですよね。謎ときと結末を第三部で読みたいものです。
そういえば、来年、『白夜行』がドラマ化されますね。どんなふうになるか、期待と不安が半々です。
投稿: Tompei | 2005/11/23 14:07
はじめまして。
ぶんぶんさん経由で来ました。
「白夜行」がなかなか手に入らず、
こちらで「幻夜」を知り、図書館で予約したら
スムーズに手に入り、読み終わったところです。
私も続編が知りたい。
あれだけじゃ、納得いかない!
と思ってしまいました。
ベルバラをリアルタイムで読んでいた世代ですか?
私も同世代です。(^_^;)
友人はオスカルに花をと、某編集者にバラの花を届けに、
私を拉致して行きました。(爆)
他の記事も読ませて頂きますね。
また遊びに来ます。
投稿: 陶片木 | 2006/02/10 15:14
>陶片木さん
はじめまして。ようこそいらっしゃいました(^^)。お名前はよく拝見しているので、何だか初対面(?)という気がしません。
『白夜行』はドラマでお知りになったのかしら? あのドラマ、原作とは趣きが違うものの、よくできているので原作本も大人気のようですね。『幻夜』のその後の小説がいつか出ることを期待しましょう。
>ベルバラをリアルタイムで読んでいた世代ですか?
>私も同世代です。(^_^;)
おお、それはそれは! 改めて調べたら、連載が始まったのは1972年……私、思春期まっただなかでした(^^ゞ。
これからもよろしくお願いします。
投稿: Tompei | 2006/02/10 22:11