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2005/02/09

『記憶力を強くする』(池谷裕二)

記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)

 この本の著者の池谷さんと糸井重里さんの対談を本にした『海馬』が面白かったので、もう少し専門的な本を読んでみました。サブタイトルにあるように「最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」について書いた本で、記憶力を強くするノウハウよりも、脳と記憶のしくみの解説に重点が当てられています。

 記憶の司令塔「海馬」の構造と機能、記憶の分類、神経回路のしくみ、シナプスのしくみ、シナプス可塑性、ヘブの法則、脳のメモリー素子「LTP」などが、かなり詳しく専門的に説明されています。そして、記憶力を増強させる方法として、「好奇心」と「努力」と「忍耐力」とちょっとした「コツ」が重要である、という結論に到達します。

 こうした科学的な話から遠ざかっていた私の脳には正直やや難しかったけれど、記憶が科学的に解明されていくのが面白く、何とか読み通しました。記憶力を強くするには好奇心と努力と忍耐力が必要だなんて、改めて言われるまでもないようなことですが、記憶のしくみをおぼろげながら理解した後では、俄然説得力があります。『海馬』に書いてあったことも、「なるほど!」と再確認できました。

 それにしても、脳は不思議な器官です。記憶の三段階「獲得」「固定」「再生」のうち、脳科学が解明してきたのは「獲得」「固定」までで、「再生」についてはまだこれからだそうです。というのは、「再生」は「意識」によって司られているから。現在の脳科学をもってしても、「意識」は解明できないとのこと。脳にはまだまだ未知の領域が多く残されているのです。

 同じ著者の最新刊『進化しすぎた脳』を図書館にて予約中。早く読みたい!

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