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2005/03/02

ドラマスペシャル『溺れる人』

 昨夜、日本テレビで放送されたドラマスペシャル『溺れる人』を見ました。このドラマは、ドキュメンタリーを公募した「ウーマンズ・ビート大賞」受賞作をドラマ化したもの。原作が読売新聞紙上に連載された時に読んで感銘を受けたのと、お気に入りの篠原涼子がアルコール依存症の女性をどう演じるか興味深かったので、期待していました。

 井上由美子さん(『白い巨塔』の時から注目していた)の脚本は、アルコール依存症の恐ろしさ、凄まじさ、悲惨さ、残酷さと、それを克服することの難しさを淡々と、しかし余すところなく伝えており、篠原さんが迫真の演技でそれを熱演し、見応えのあるドラマに仕上がっていました。

 一番印象に残っているのは、閉鎖病棟に入院している主人公の麻里を見舞いに母親がやって来て、鉄格子をはさんで対面する場面。変わり果てた娘の姿を受け入れることができない母に向かって、麻里が「何も言わずに見ていて。これが私なの。お酒もやめられないできそこないなのよ」と語りかける言葉は心にずしんと響きました。

 自分がいい子で完全でないと母親に受け入れてもらえないという思いが歪んだ形でふくらんで、それがやがてこの病気につながったという解釈のようでした。家族というものは時に心の病の原因ともなる厄介なものであり、その一方で、家族の絆はその病を治す力を秘めもいて、実に奥深い問題と言えそうです。ただし、このあたりは原作にあったか、記憶が定かではありません。

 原作でもドラマでも、麻里さんのご主人の献身的な愛情には胸を打たれました。ああいうご主人がいたからこそ、麻里さんは断酒に成功できたのだと思います。ドラマの最後に若くて美しい麻里さんご本人がご出演され、依存症の体験を語っていらっしゃいましたが、このままアルコールと縁を切った人生を送られるようにと祈るばかりでした。

 それにしても、篠原さんはやっぱりうまいですね。コメディからシリアスなものまで演技に幅があるのも素晴らしい。脇役の時代から気になる人だったので、最近の活躍はとても嬉しいです。

溺れる人―第3回Woman’s Beat大賞受賞作品集 (読売・日本テレビWoman’s Beat大賞カネボウスペシャル21受賞作品集 (第3回))
溺れる人―第3回Woman’s Beat大賞受賞作品集 (読売・日本テレビWoman’s Beat大賞カネボウスペシャル21受賞作品集 (第3回))

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コメント

こんにちは。
篠原涼子さんは、私も好きな女優さんの一人です。といっても、もとのヒットソング「いとしさと、切なさと、こころ強さと・・」で始まる歌が好きだったんですが・・・。

投稿: ayakokin | 2005/03/02 13:46

Tompeiさん、こんにちは。
私も見たんですよ。コメントが長くなりそうなので、自分も記事にしてトラックバックさせていただきました(^^)

投稿: ぶんぶん | 2005/03/02 16:02

 ayakokinさん、ぶんぶんさん、こんばんは。

>ayakokinさん

 私も『恋しさと切なさと心強さと』、大好きでした。でも、あの頃は篠原さんのことはいいとは思わなかったんですよ。ドラマに出るようになってから、魅力がわかりました。

>ぶんぶんさん

 トラックバックありがとうございます。続きは、ぶんぶんさんのブログで……(^^)。

投稿: Tompei | 2005/03/02 19:31

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» アルコール依存症のドラマ [Fancy Pet]
昨日、何気なくつけたテレビでドラマスペシャル『溺れる人』をやっていて、ひきこまれ [続きを読む]

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