春はやっぱり桜餅!
ひなまつりにちなんで、季節の甘味シリーズ第4弾といきましょう。今日は、春というには寒い1日になりそうだけど……。本来、ひなまつりには3色のひし餅と白酒が付き物ですが、一般的には桜餅をいただくことが多いですよね。
私にとって、桜餅と言えば、やはり「長命寺の桜もち」。実家に程近い下町の向島にお店があるので、格別の思い入れがあります。「長命寺の桜もち」は桜餅の元祖として知られていて、このお店の初代山本新六さんが享保2年(1717年)に隅田川の桜の葉を集め、塩漬けにして桜餅を考案した、とお店の由来書に書いてあります。
この桜餅の特徴は、1個のお餅に3枚の葉を使っていること。普通はお餅に1枚の葉を巻いてあるけれど、これは3枚でお餅を包んであり、お餅が外気に触れて乾燥するのを防いでいます。中味は関東風の桜餅、つまり、小麦粉を薄く焼いたクレープ状の皮でこし餡をくるんだもの(ちなみに、関西風は道明寺粉を蒸したお餅)。小ぶりで上品な甘さなので、一度に2、3個はいただけます。
ただし、ここの桜餅は向島のお店以外ではなかなか手に入らないのが難点。都内のデパートで曜日を決めて入荷しているところもありますが、早い時間に「完売」になることが多いようです。確か、両国の江戸東京博物館にも出ていたけれど、やはり完売で買えませんでした。入手困難なので、3枚葉の元祖桜餅の価値が保たれているのかもしれません。
かく言う私も、もうだいぶ長いこと、この桜餅をいただいていません。これを書いていたら、ものすごく食べたくなっちゃいました(^^ゞ。
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コメント
すばらしい四部作!う~ん、いい企画だぁ。ところで北海道では桜餅といえば、道明寺の桜餅なんですよ。つるっとしたやつじゃなくてあの粒粒の。記事の桜もちの3枚の葉でくるりと包むのは「水戸の梅」というお菓子が紫蘇の葉でくるりと巻かれていたのを思い出しました。
投稿: 惑 | 2005/03/04 01:09
>惑さん
おはようございます。
そう言っていただけて嬉しいです。第2弾の時から、四部作を狙ってました(^^ゞ。
>北海道では桜餅といえば、道明寺の桜餅なんですよ。
へぇ、そうなんですか! 桜餅は単に東西で分かれているわけではないんですね。それは面白い! ほかの地方はどうなのか、知りたくなりました。興味深い情報、ありがとうございます。
「水戸の梅」も好きです(^^)。紫蘇の葉の甘酸っぱさと中のあんこの絶妙なハーモニー……あ、思わずよだれが……(^^;)。そういえば、桜餅の葉っぱを食べるかどうかも話題になりますよね。私は香りだけ楽しんで、葉は残します。
投稿: Tompei | 2005/03/04 09:18
桜餅は長命寺の「山本や」の創作菓子です。
そして「道明寺」は関西で道明寺粉を使って作った桜餅の亜流品で「道明寺桜餅」といわれていたのを単に「道明寺」と呼ぶようになったのです。
したがって江戸の桜餅は元祖ですからあくまで単に「桜餅」です。「長命寺」なんて呼ぶのは関西人だけです。
投稿: さやか | 2008/03/01 22:37
>さやかさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
江戸っ子の私にとって、桜餅といったらやっぱり長命寺みたいなクレープ式のもので、関西の桜餅は道明寺と呼んでいます。でも、それぞれに美味しくて両方とも好きです(^^)。
投稿: Tompei | 2008/03/02 00:11