« おかげさまで1周年 | トップページ | 法王と教皇 »

2005/04/02

"The Lion, the Witch and the Wardrobe" (C.S.Lewis)

The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia)
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia)

 「ナルニア国物語」の第1巻『ライオンと魔女』の原作。今年、映画化されるそうなので(ディズニーによる実写映画、日本公開は来年)、2年程前に買ったペーパーバックを手に取りようやく読み終えました。

 本好きの友人の多くは子どもの頃、「ナルニア国物語」に夢中になったと言います。私はファンタジーとは無縁の夢のない子どもだったので、ナルニアを知らずに大人になり、いまだにファンタジーはちょっと苦手です。でも、みんなが絶賛する「ナルニア」に興味があったので、どうせなら原書で読んでみようと思って買い求めたのでした。しかし、長い間、読まれることなく本棚でほこりをかぶる運命に……(^^ゞ

 読み始めたら、意外にもすんなり物語に入っていかれて、飽きることなくラストまで読みきりました。まず、たんすの向こうにナルニア国があるという設定が面白いし、それぞれのキャラクターが魅力的に描かれていて、その姿や声が自然に浮かんできます。読み手の心に入ってくる語り口にいざなわれ、子どもは自分がナルニアに行ったような気持ちになって、この物語にどきどきわくわくするのでしょうね。子どもの時に出会っていたら、何かが変わっていたかもしれません。

 読了後、図書館で岩波少年文庫を借りてきて、気になる箇所の原文と訳文をざっと照らし合わせました。この本も『指輪物語』と同じく瀬田貞二訳なのですね。格調高い名文ですが、どうも私には読みづらいものがあります。ある面、英語のほうが読みやすいくらいですが、実は、子ども向けの本なのに意味のわからない単語が結構あってショックでした(^^;)。

 そうそう、エドマンドが魔女にもらったお菓子 Turkish Delightは「プリン」と訳されていましたが、実際はどんなお菓子なんでしょうね。

 ナルニアでは人間を"Son of Adam, Daughter of Eve"と呼んでいることからもわかるように、この物語には作者ルイスのキリスト教観が色濃く反映されています。アスラン=イエス・キリストということでしょうね。この巻ではイエスの十字架の死から復活をイメージしているようでした。

 ほかの6巻も読んでみたい気がするけれど、ペーパーバックの"The Chronicles of Narnia"のセットを買おうかどうか検討中。全巻読み通す自信がない……でも買っておけば、いつか読むかな?

The Chronicles of Narnia: The Magician's Nephew/the Lion, the Witch and the Wardrobe/the Horse and His Boy/Prince Caspian/the Voyage of the Dawn Treasure/The Silvair Chair/The Last Battle (7 volumes)

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)
ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)

|

« おかげさまで1周年 | トップページ | 法王と教皇 »

コメント

こんにちは、

瀬田貞二さんって、「かさじぞう」や「ふるやのもり」の瀬田貞二さんですよね。童話の翻訳本は「あおい目のこねこ」「三びきのこぶた」等は知っていますが、「指輪物語」はまったく知らないのです。

∥Turkish Delightは「プリン」と訳されていましたが

まったく脈絡なく、lipstickが「口紅棒」と訳した本があったことを思い出しました。女性の翻訳家ならこういう訳はしないでしょうが……

投稿: | 2005/04/02 11:55

>涼さん

 こんにちは。

 私はこの中では『三びきのこぶた』しか知りませんでした。あれも瀬田さんの訳だったのですね。瀬田さんは多数の児童文学を訳しているので、子どもの頃から瀬田さんの訳文に慣れ親しみ、愛好している方も多いようです。

 が、私は瀬田さんの『指輪物語』や『ナルニア』を読むと、美文調の敬体の文章をまどろっこしく感じてしまうんですよ。子どもの心を失ったのか、元々情緒がないのか……(^^;)。その点、英語は単純明快でいいと思います。だから、英語力をつけたいんですけどね……。

投稿: Tompei | 2005/04/02 15:32

∥まどろっこしく

うーん、もしかして昔話の悠長な語りが影響しているのでは?
って、この二つを全く知らないから何ともいえません。

投稿: | 2005/04/02 16:06

>涼さん

 そうそう、悠長な語りという感じです。こういうのは耳で聞いたら、また印象が違うかもしれませんね。

投稿: Tompei | 2005/04/03 00:40

こんにちは!
ナルニアは子供の頃読みました。
図書館で借りたのですが、あまりうちの学校では借りられてなく、貸し出しカードの余白が案外埋まっていないのと、シュールな絵を覚えています。確か続き物で、2~3冊読んだ気がしますが、ファンタジー好きな私のつぼをつく本でした。でも、原著で読むとは、凄いですね。

投稿: ayakokin | 2005/04/04 19:06

>ayakokinさん

 こんばんは。

 ナルニアがお好きだったんですね。私は小学生時代、ナルニア好きな友達を尻目に、『怪人二十面相』などを読んでいました(^^;)。ファンタジーをたくさん読んで成長したかったと、今になって思います。

>シュールな絵を覚えています

 何だか妙に印象に残る絵ですよね。

投稿: Tompei | 2005/04/04 23:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: "The Lion, the Witch and the Wardrobe" (C.S.Lewis):

« おかげさまで1周年 | トップページ | 法王と教皇 »