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2005/05/09

またまた誤訳騒動

 GW中に読んだ「週刊新潮」(5/5・12号)で、映画『オペラ座の怪人』の誤訳騒動について知りました。『ロード・オブ・ザ・リング』に続いて、またしても戸田奈津子さんの字幕に対して騒動が起こっていたとは! 記事中に紹介されていたサイト「オペラ座の怪人字幕改善委員会」にアクセスしてみました。

 『オペラ座の怪人』をこよなく愛するこのサイトの管理人さんが、この映画の字幕のひどさに憤慨してサイトを立ち上げたとのこと。それがきっかけになって、字幕改善要求署名運動にまで発展し、DVD・ビデオ発売時には字幕が修正されることになったようです。

 「珍訳・誤訳集」を読んでみると、いちいちうなずくことばかり。『オペラ座の怪人』に思い入れが深く、英語に堪能な管理人さんならではの的確な指摘が続きます。また、掲示板には全国から多くのコメントが寄せられているほか、全訳文の検証と代案まで出ていて、たいへん充実した内容のサイトです。

 当の戸田さんは「週刊新潮」の記事中で、「…そもそも映画の翻訳というのは字数やいろんな制約があって、そのまま直訳しても文章にならないし、意味が通じないの。だから、やっぱりある程度の意訳は必要なのよ。…」とコメントしています。

 でも、『ロード・オブ・ザ・リング』と『オペラ座の怪人』の誤訳騒動を見るかぎり、独りよがりの意訳があることは確か。その解釈が正しければまだしも、微妙にずれていると登場人物の人物像に影響しかねません。変に意訳するより、ストレートに訳すべきだと思うのですが……。不自然な日本語や妙なカタカナ多用にも首をかしげます。誰も訂正を入れられないのか?!

 これほどの騒動になっても、大作、話題作はやはり戸田訳が多いのは不思議です。

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コメント

こんにちは、GWも終わってしまいました。

このサイトは、偶然見つけて読んでいました。
戸田氏の誤訳については、よく聞ききますね。他にいい方はいらっしゃらないのでしょうか。

投稿: | 2005/05/09 15:52

>涼さん

 こんばんは。

 戸田さんは字幕翻訳の第一人者というか、大御所なので、まず声をかけないと駄目なのかしら? もっと若手を育てたほうがいいと思うのですが……。

 実は、このサイトで初めて『オペラ座の怪人』の原詩がわかったので、さっそくコピーしました。ヒソカに歌ってみます(^^ゞ。

投稿: Tompei | 2005/05/09 23:57

たしかに映画字幕翻訳においては第一人者ですし、観客にとっても「安心のブランド」の地位を確立したと思います。
非常にたくさんの作品をこなしておられることから見ても、実際は大勢の下訳者を抱えてチェックする立場なのかも知れません。そんな中で一定の品質を保っておられるのは、やはり大したことだと思います。観客はひとつひとつの作品に思いいれがあるから、部分的にはあれこれ言いたくなるものですが。
将来は、今は下訳者をやっている方たちの中から後継者が出てくるのでしょう。

最近では「恋におちたシェークスピア」の台本がすばらしくて、字幕を作っていて本当に楽しかった、と言っておられたように思います。わくわくするような台詞の応酬でした。

大御所、ということでは、ミュージカルやシャンソンの訳詩は岩谷時子さんの作品がとても多いですよね。ああいう世界は「めぐり合わせ」ってこともあるのかな…と思います。

投稿: yoshi | 2005/05/10 00:17

実際問題として、安心して使える他の名前はないんじゃないでしょうか。

作品に入れ込んでいるファン、マニアからすると「許せない」って感じでも、特に思い入れのない人にすればちょうど良いくらいだったりするようですし。(完全な誤訳は別ですが、それってあんまりないですよね)

まぁ、字幕界の自民党というか、巨人というか……

投稿: 隊ちょ〜 | 2005/05/10 09:37

 yoshiさん、隊ちょ~さん、こんにちは。ご丁寧なコメントありがとうございます。

 確かに字幕翻訳における戸田さんの功績は大きいし、「安心のブランド」であることは間違いありません。『指輪…』の誤訳騒動が起きるまで、私もスクリーンの「戸田訳」のテロップを見て100%安心と信頼を寄せていましたから(字幕に間違いがあっても気づかないし(^^;)。

 作品にとくに思い入れの強い人や一部のバイリンガルの人以外は、気にならない程度のことなのでしょう。インターネットがなければ、こういう展開になることもないと思うと、そのあたりのご苦労はお察しします。

 でも、指摘されたからには、ある程度謙虚に受け止めてほしい気がするんです。第一人者だからこそ。

>yoshiさん

 『恋におちたシェイクスピア』は大好きな映画でした。字幕って、制限字数内で意味を正しく伝え、しかもその時代にふさわしい言葉を使わなくてはならないんだから、たいへんですよね。

 岩谷時子さんは素敵な訳詞をたくさん書いていらっしゃいますね。『愛の讃歌』などは原詩の意味とは全然違うらしいけれど、「あなたの燃える手で…」がすっかり定着していますよね。

>隊ちょ~さん

 完全な誤訳というわけではなくて、原語のニュアンスが伝わらないという指摘が多いように思います。

 大御所、多数派にはアンチが付くってことかしらね。これも有名税のひとつ?

 そういえば、こういうふうに名詞に直接「?」を付けて疑問文にするのはよくないという指摘もありましたっけ。

投稿: Tompei | 2005/05/10 11:40

こんにちは。戸田さんの訳の良し悪しについては、よくわからないんですが、翻訳をする者としてまったく耳が痛い・・・

有名税、って部分もやはりあるのでしょうね。

投稿: ビアンカ | 2005/05/11 08:36

>ビアンカさん

 こんにちは。

 ビアンカさんの記事も読ませていただきました。「マンガの翻訳」のお話はとても興味深いです。確かにあの噴き出しの中にドイツ語を入れるのはたいへんそうですね。映画の字幕翻訳に通じるところがあるのではないかしら。

 実は私も英語教材に訳文を付けたりしているのですが、教材のため原文に忠実に訳すことが求められるので、そのあたりの苦労はありません。日本語の表現力がないため(英語力もないけど)、字幕翻訳も小説の翻訳もとてもできそうにありません。

 

投稿: Tompei | 2005/05/11 18:12

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