« 『脳のなかの幽霊』(V・S・ラマチャンドラン) | トップページ | またまた誤訳騒動 »

2005/05/06

こども、子ども、子供

 昨日5月5日は「こどもの日」。「子供の日」でも「子どもの日」でもなく、ひらがなで「こどもの日」と「国民の祝日に関する法律」で定められています(内閣府のサイト)。

 「こども」の表記に関しては、「こども」「子ども」「子供」が混在していますが、みなさんはどれを使っていますか? 私はずっと「子ども」を使っています。深い考えはないのですが、いつの頃からか「子ども」という表記をよく見るようになったのでそれに倣ったのと、「子供」より「子ども」のほうが柔らかくて「こども」らしい印象があるというのがその理由です。

 「子供」の「供」の字には「従者」という意味があり、こどもが大人の従属物であることを連想させるため、「子ども」が望ましいとしたいきさつがあったことを知ったのはつい最近のこと。わさびさんのブログで「『子供』と『子ども』」という記事を読んでそれを知り、びっくりしたものです。また、「供」には「神に捧げる供え物」の意味があるので避けたほうがよいと考える人もいるようです。

 現在もこの表記問題は決着がついていないらしく、読売新聞の場合、同じ日の記事に「子供」「子ども」二つの表記があります(「こどもの日」の「こども」を入れると3つ)。どういうスタンスで「子供」と「子ども」を使い分けているのか、あるいは記者の判断にまかされているのか定かではありませんが、どちらかといえば「子ども」が主流の印象です。

 ついでに他の新聞のサイトを見てみたら、折りしも産経の昨日の「主張」に「こどもの日 表記は『子供』が望ましい」という社説が載っていました。ということは、産経新聞では「子供」を使っているということですね。ちなみに、朝日、毎日、日経は「子供」「子ども」混在です。

 日本語は表記ひとつ取っても難しいですね。私は今のところ「子ども」派。先日、内職の訳文を提出したら、「子ども」を「子供」と直されて、以後そこでは「子供」を使っていますが、私の基本は「子ども」。長年使っているから、私の中でそういうイメージができあがっているだけで、思想はないのですが……。

 「こども」表記問題に気づかせてくださったわさびさんの記事に、トラックバックをさせていただきます。

|

« 『脳のなかの幽霊』(V・S・ラマチャンドラン) | トップページ | またまた誤訳騒動 »

コメント

こんにちは。トラックバックありがとうございました。
わたしの中でもまだ「コドモ」の表記は揺れております。「子供」か「こども」か、文脈によってオール漢字かオールひらがなかを使い分ける、というのがわたしの落着点になりそうではありますが。

「子供」に賛成するわたしではありますが、産経新聞の主張にはちょっと首をひねります。まさに、「和語なんだから"こども"でもいいじゃん」という単純な理由ですが……。

漢字にするかひらがなにするか、それとも交ぜ書きにするか。
難しい問題ですが、「表記によって文章のニュアンスを変えられる」という日本語の柔軟さを楽しむくらいの余裕があると、いいのかもしれませんね。

投稿: わさび | 2005/05/06 21:07

ごごごごめんなさい……二重投稿になってしまいました。
このところココログと相性が悪くて、よくこうなってしまいます。
お手数ですが、まったく同じものですので片方削除してくださいますようお願いします。

と書くこのコメントがまた二重になる可能性もあり。なんとも申し訳ありません。

投稿: わさび | 2005/05/06 21:11

>わさびさん

 こんばんは。ご丁寧なコメントありがとうございます。

 現在「子ども」派の私としても、産経の社説は「なるほど、これから子供と書くことにしよう」とは思えないものがあります。それほど拘っているわけではないけれど、「こう書け」と言われることに抵抗があるのかも? 単に天邪鬼なだけか?(^^;)

>「表記によって文章のニュアンスを変えられる」という日本語の柔軟さを楽しむくらいの余裕があると、いいのかもしれませんね。

 そうですね。例えば、わさびさんのように「私」ではなく「わたし」を使う人もいるのと同じことかもしれません。そのあたりのお話もいつかお聞きしたいです。

 あいかわらずコメント機能が不調のようですね。ひとつ削除させていただきました。

投稿: Tompei | 2005/05/07 00:31

そうですね、福祉や教育団体、そして某世界支援会社や某製菓会社なども「子ども」と表記しており、広告や本やテレビなどのテロップにもよくあります。「大人」と書きながら「子ども」と書くと大人が優れていて子供が劣っているようで非常に差別的でしょう。やわらかくソフトに仕上げるというのであれば「おとな」「こども」という感じでどちらも全てひらがなで通した方が平等に見えるでしょう。書き方次第で差別的に見えたり平等に見えたりしますので、どちらかがひらがなならもう片方もひらがなというようにしていただいた方が気持ちいいです。

投稿: mc1318 | 2008/11/05 18:05

>mc1318さん

 はじめまして。コメントありがとうございます。

 この記事を書いてから3年半あまりになりますが、実は私、最近は「子供」と書くことが多いです。明確な考えがあって宗旨替えしたわけではなく、気がついたら、いつの間にか、そうなっていました。強いて言えば、漢字とひらがなを混ぜないほうが字面的に読みやすいから、でしょうか。私としては、差別感はまったく感じないのですが、鈍感なのかもしれません。

 コメントをいただいたおかげで、ひさしぶりに「こども」の表記の問題を考える機会を得られて感謝しています。

投稿: Tompei | 2008/11/06 09:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: こども、子ども、子供:

« 『脳のなかの幽霊』(V・S・ラマチャンドラン) | トップページ | またまた誤訳騒動 »