「嘉永・慶応 江戸切絵図」
嘉永・慶応 江戸切絵図〈1〉―江戸・東京今昔切絵図散歩 尾張屋清七板 (古地図ライブラリー)
気がつけば、6月に入って早5日……今月初めての更新です。バイオリズムが低調なのか、何かにつけ意欲が湧かない日々。こんな時は文章を書くのも億劫で、おさぼりモードに入っていました(^^;)。皆さんは、物事や自分の気持ちを筋道立てて文章にまとめるのが面倒になることって、ありませんか?
こういう低調期には、現実の世界からちょっと離れられる本を読むのが一番。というわけで、ただ今、宮部みゆきの「霊験お初捕物控」シリーズの『震える岩』『天狗風』を続けて読んでいます。江戸を舞台にした小説を読む時は、以前購入した「江戸切絵図」(人文社)を傍らに置いて、地名と場所を確認しながら読むのがお気に入り。
例えば、この「霊験お初」シリーズは日本橋や深川周辺を舞台にしていますが、小説の中の地名を切絵図で追っていると、登場人物たちと一緒に江戸を歩いているような気分になれます。しかも、このあたりには土地鑑もあるので、現在の場所と照らし合わせながらイメージできて、とても楽しめます。江戸物に限らず、時代小説や歴史小説は地図があると、面白さが倍増しますね。
この「江戸切絵図」は、江戸博物館に行った時に買ったもの。博物館では古地図に関する本がたくさん売られていて、欲しいものばかりで目移りしてたいへんでした。地図本は結構高いので、あれもこれもというわけにはいかないのが残念。この本を買うのも迷ったけれど、こういうふうに楽しめるなら、思いきって買って正解です。
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コメント
そうそう、Tompeiさまが更新して下さらないの寂しかったです。
>宮部みゆきの「霊験お初捕物控」シリーズ
私も宮部みゆきさんの江戸物大好き。そして地図を見ながら読むって言うのも大好きです。
今は地図を片手に池波正太郎さんめぐりを時間ができたらしたいなぁと思ってます。
>「江戸切絵図」
欲しいなぁ~。
私、明日からしばらく実家へ。しばらくお伺いできないのが残念です。ではまた戻りましたらよろしくお願いします。
投稿: 桜桃 | 2005/06/05 23:07
>桜桃さん
こんにちは。
今頃、西に向かっていらっしゃる頃かしら。ムラ入り、うらやましいです!(^^) もしかして、ゴールデン・ステップスをご覧になるのかしら? ますますうらやましい! 報告を楽しみにしています。
池波さんの鬼平もちゃんと読んでみたいな。江戸物って、いいですよね。前世というものがあるとしたら、自分は江戸の町娘という気がします(^^ゞ。
投稿: Tompei | 2005/06/06 11:38
おせっかいをいらせてください。
お求めになった「江戸切絵図」は、人文社が複製したものですね。
いくらか、ミス・コピーはありますが、宮部ものをよむときには、それでいいでしよう。
あ、それで---というのは、「尾張屋板」でという意味です。
しかし、池波小説を読むときには、「近江屋板」がほしいところです。
お手元の、人文社版の、深川の図をご覧ください。隅田川にそった、深川側に、上之橋、中の橋---つぎは下之橋のはずが、中之橋がダブッてましょう?
ミス・コピーの一例です。
失礼しました。
投稿: ちゅうすけ | 2005/06/08 17:22
>ちゅうすけさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
老眼鏡をかけて、深川の地図を見てみました。あら、本当……中ノハシが二つある! 切絵図に尾張屋板と近江屋板と2種類あることさえ知りませんでした。複製して売られている尾張屋板とは違って、近江屋板は入手が難しそうですね。
ちゅうすけさんは池波作品を愛読されているんですね。ちゅうすけさんのブログをざっと見せていただいたら、ますます鬼平を読んでみたくなりました。
投稿: Tompei | 2005/06/08 19:01
>tompeiさん
お初に、失礼しました。
『鬼平犯科帳』の文庫第1巻をお持ちでしょうか?
[老盗の夢]p169の1行目 新装版ならp178の11行目に「松寿院」という寺が書かれています。
お手元の「江戸切絵図」(人文社)[東都浅草図]p45 真ん中左端あたり---元鳥越町の「寿松院」
これは、尾張屋板が正しく、近江屋板は誤植。池波さんは、近江屋板を愛用していますから、誤植のまま、書き写しているのです。
こんな例、『鬼平犯科帳』や池波小説にはいくつもあります。
おもしろいでしょうか?
投稿: ちゅうすけ | 2005/06/09 03:57
>ちゅうすけさん
こんにちは。
残念ながら、鬼平はまだ手元にないので、切絵図で「寿松院」を確認しました。なるほど、そういうことですか。とても興味深いです。教えてくださってありがとうございました。まずは1巻を図書館から借りてくることにします。
投稿: Tompei | 2005/06/09 11:33
>tompei さん
誤植のはなしのつづきです。
人文社「嘉永・慶応 江戸切絵図」p47、隅田川ぞい、今戸橋北(ということは右)、慶養寺の隣の「本意寺」。行ってみると、「本竜寺」。
誤植は人間のすることだから、ままあること---ですが、近江屋板も「本意寺」としているのは、どういうこと?
「本竜寺」のご住職へ問いあわせました。
「貴山のご先祖さんは、版元に訂正をお申しこみにならなかったのでしょうか」
ご住職のお答え。
「一飯の衆は、関係ありませんから」
投稿: ちゅうすけ | 2005/06/10 03:04
>ちゅうすけさん
こんにちは。
またまた面白いお話を聞かせてくださって、ありがとうございます。切絵図の記事からこんなふうに話題が拡がって嬉しいです。
投稿: Tompei | 2005/06/10 12:05
おまけのお話。
宮部みゆきさんが、直木賞をもらうずっと前。
宮部さんから、横書きの、まるっこい文字の手書きの手紙をもらいました。
末尾に「かに」とあり、考え込んでしまいました。みゆきちゃんが「かに」なら、ぼくは「猿」ってこと?
ほんと、1か月ほどもなやみました。
やっと「かしこ」だとわかりました。
「し」と「こ」がつづいていたのです。
「し」のハネがほとんどなかったし。
これ、「かに」レターというので、ニフティの宮部ファンの部屋で話題になり、見たいというので、貸したら、全国の宮部ファンのあいだをまわったらしく、戻ってこなかった。
投稿: ちゅうすけ | 2005/06/10 15:38
>ちゅうすけさん
宮部さんの丸っこい字の「かに」、目に浮かびます(^^)。お手紙が戻ってこなくて、残念でしたね。
投稿: Tompei | 2005/06/10 18:44