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2005/06/13

ひめゆり問題

 高校入試の英語の問題に、「沖縄でひめゆり学徒隊の女性から聞いた戦争の話が退屈だった」という内容の英文があったそうで、この週末、一般紙を賑わせていました。沖縄県の稲嶺知事の「がく然とした」というコメントまで出ています。当の青学高はHP上にお詫びを発表した、という後追い記事もありました。

 これらの記事を読むかぎりでは、「それはけしからん」と感じるのが普通の反応かと思います。いったい、どんな内容の英文だったのか、興味を持ったので、ネット上で調べてみたところ、こちらのサイトで全文を読むことができました。かなりの長文なので全文を引用できないのが残念ですが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

 確かに、"But, to tell the truth, it was boring for me and I got tired of her story."という一文はありますが、前後に"Yes, the story that the old lady who survived the Himeyuri squad told us was shocking and gave us a great image of the war."や"Of course, some of my friends were moved by it, so I shouldn't say that her story didn't mean anything."という文もあり、単に「けしからん」という印象ではありません。

 全体の要旨は、「第二次大戦から60年が経過し、戦争体験談を直接聞くこともだんだん難しくなっていくが、日本人は、戦争を知らない世代と言えども、この戦争を後世に伝えていく責任がある。その際に必要なのは、体験者の言葉だけではない」というもので、ひめゆりの話題はその一例に出されているのです。

 全文を読んでみると、ひめゆり学徒隊の女性やその体験談を貶めているとは、少なくとも私は感じません。一生徒が「退屈だ」と感じたとして、そんなに非難されるべきこととも思いません。マスコミなどの過剰な反応を見ていると、「戦争体験談は心してありがたく聞くべし」という無言の圧力を感じて、ちょっと抵抗を覚えます。

 ただ、公になる入試問題にこういう誤解されるような文を載せてしまうのは、学校としては軽率だったと思います。このあたりがあの学校らしいというか、自由な校風にもつながるものだと思いますが、こんなことで世間を騒がせることのないようにと、あの学校に縁のある者としては願うばかりです。

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コメント

なるほど。
『退屈だった』というのは、全体の文脈の中ではほんの一フレーズにしか過ぎないんですね。マスコミというのは、とかく一部だけを取り上げて大騒ぎにするものだから。
文部科学大臣の『従軍慰安婦』発言などもね。
こうした類のものは、まるで腫れ物のように扱われているという一面もある。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2005/06/14 08:59

>ピーちゃんの身元引受人さん

 こんにちは。コメントありがとうございます。

 だいたい、どうして今頃になってこの問題が発覚したのか、不思議です。誰が言い出したのかしら?

 こういう腫れ物のような問題は無闇なコメントをすると、言葉尻を捕らえられて面倒なことになりますね。その辺の認識が足りなかったんでしょう。

投稿: Tompei | 2005/06/14 15:38

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