映画『亡国のイージス』
原作のファンとしては、映画の出来がすごく気になるので、封切りの翌日に映画館に足を運びました。『ローレライ』で「原作と映画は別物」という思いを強くしたにもかかわらず、「今度こそ」と期待してしまう健気なファン心理。
しかし、やっぱり映画からは原作の魅力を感じられませんでした。原作にそこそこ忠実にまとめてあるし、防衛庁や自衛隊の協力によって本物の護衛艦が使われて迫力があるし、メインキャストの俳優たちはそれぞれ好演しているのは確か……でも、何か物足りない。原作のメッセージ性もエンターテイメント性も薄まってしまって、あの名作の醍醐味を伝えられなかったことがとても残念です。
2時間という枠の中では、各人物の背景を描くことなど無理なのでしょう。だとしたら、いっそのこと、もっとエンターテイメントに徹したほうが面白かったのでは? やたらに重苦しいエンドロールの音楽を聴きながら、深いため息をついた次第です。
千石伍長役が真田広之と聞いた時は意外に思いましたが、真田さんもいつの間にか「おじさん」役が似合う年齢になっていたのですね。テロと戦う不死身の千石役を熱演していました。注目の如月行役の勝地涼を見たのは初めてでしたが、なかなかはまっていたように思います。寺尾聰、中井貴一、佐藤浩市は、役の書き込みが足りないから、あれ以上やりようがありませんね。
原作を読んでから2年半以上経つので、細かい部分を忘れていることに気づきました。この機会にまた読んでみたいと思います。
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コメント
昨日観てきました。私も今読み直しているところです。
投稿: xina-shin | 2005/08/02 13:23