『素数ゼミの謎』(吉村仁)
昨年2004年の夏、アメリカでセミが大量発生したというニュースが流れました。これはその不思議なセミの生態をわかりやすく紹介した本で、イラストや写真が多い上、大きめの活字に読み仮名がふってあるので、小学生でも読めそうです。とは言え、生物学者が語る進化や素数についての話はたいへん興味深く、大人でも十分に楽しめます。
13年、あるいは17年に一度だけ大量発生する素数ゼミ(英語名:Magicicada
氷河期の寒さのせいで成虫になるまでに長い期間がかかるようになった一方、効率よく繁殖するためにほかのセミと一緒に同じ場所で羽化することが必要だったという話。さらに、13と17という素数であるがゆえに生き延びられた数字のマジック。心の中で「へぇ」を繰り返しつつ、面白く読みました。
1平方メートルあたり平均40匹、一つの街に数十億匹も発生するこのセミには決して遭遇したくありませんが、何だかセミという虫が愛しく思えてきました。今、窓の外で力なく鳴いているツクツクボウシは首尾よくメスと出会えたでしょうか?
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コメント
十七年ゼミの大合唱、さぞかし凄いんだろうな~。アメリカまで聞きに行きたい!と思ったけど実現しませんでした。(物好きですねぇ・・・)
自然の法則って不思議ですね。普段は気にも留めない身の回りの生き物には、たくさんの秘密が潜んでいるんですね。そう思うと、何気ない日常が楽しく感じます。
投稿: ビアンカ | 2005/09/08 18:53
>ビアンカさん
こんばんは。
次の大発生年にぜひアメリカに行ってみてください(^^)。この本によると、昔、調査のために、ある大群の中で数十分仕事をした人はその後数時間も耳が聞こえなくなってしまったそうです。想像を絶するうるささのようですね。
>自然の法則って不思議ですね。
本当に! 生物の進化、地球の歴史……不思議なことだらけです。
投稿: Tompei | 2005/09/08 21:56