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2005/12/19

『明日の記憶』(荻原浩)

明日の記憶 (光文社文庫)
明日の記憶 (光文社文庫)

 若年性アルツハイマー病を発病した50歳の男性が徐々に記憶を失っていく日々を綴った小説。数ヵ月前に図書館に予約した本がようやくまわってきたので、師走の慌しい時に読む本ではないな、と思いながらも、一気に読みました。

 とにかく身につまされて、つらくて悲しかった。いろいろな病気があって、それぞれ苦痛を伴うものだけど、この若年性アルツハイマー病はその中でも最も怖い病気の一つではないでしょうか。自分が記憶を失くしていくことを想像するのも怖いし、家族が記憶を失くしていくようすを目の当たりにすることを想像するのも悲しい。

 同じような年代の主人公とその妻の心の葛藤が痛いほど伝わってきて、やりきれない思いがしました。ラストがまた切ない。切なすぎる。

 主人公はやがて、次のような考えに至り、いくらか心の中に平安を見出します。

 記憶が消えても、私が過ごしてきた日々が消えるわけじゃない。私が失った記憶は、私と同じ日々を過ごしてきた人たちの中に残っている。
このあたりが救いでもあるけれど、この後に続く現実を思うと、感傷にひたっていられない心境です。

 最近、物忘れがひどくなってきた我が身がふと不安になります。

 なお、この小説は、渡辺謙主演で映画化され、来年公開されるそうです。妻は樋口可南子、娘は吹石一恵。見てみたいような、見たくないような……。

明日の記憶
明日の記憶

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