『容疑者Xの献身』(東野圭吾)
今年の読書初めは、昨年度の「このミステリーがすごい!」「週刊文春 傑作ミステリーベスト10」「本格ミステリ・ベスト10」いずれも1位の三冠に輝いたこの小説。タイミングよく、年末に図書館の予約本の順番が回ってきました。
いやー、東野圭吾はやっぱりすごい! 途中までは淡々と読み進んでいたのですが、最後に明かされる真相には吃驚仰天。天才数学者が仕組んだ想像を絶するトリックに舌を巻き、人生をかけてそれを実行した彼の熱く深い想いに胸を打たれました。本格ミステリーとしても、恋愛小説としても、一級品だと思います。東野さんの最高傑作と言ってもいいのではないでしょうか。
ちなみに、この『容疑者Xの献身』は、第134回直木賞(1月17日発表)候補に選ばれています。『秘密』『白夜行』『片想い』『手紙』『幻夜』に次いで、6回目の候補。東野さんの実力実績からすれば"今更"の感もありますが、この傑作は受賞にふさわしいと思うので、今度こそ受賞して欲しいです。
この小説はいずれ映像化されるに違いないし、私もそれを期待しています。その際には、「おかしな演出を加えてこの原作の持ち味を殺さないで」と今からお願いしたい気持ちです。そうそう、来週から始まるドラマ『白夜行』も楽しみです。
【追記】2006年1月17日
本日、東野さんの直木賞受賞が決まりました!
おめでとうございます。これからも東野さんならではの面白い小説を期待しています。
| 固定リンク
コメント
直木賞発表を見て、あ、これ、Tompeiさんが書いていた本!と思って確認しにきたら、ちゃんと追記されていました(笑)。このミステリー・・は2002の半落ちは読んでいますが、その後はなかなか、2003の歌野さんのもぜひ読んでみたい一冊です。
投稿: 惑 | 2006/01/18 07:27
>惑さん
こんにちは。
わざわざ確認にいらしていただいて、ありがとうございます(^^)。東野さんの受賞を知って、嬉しくてすぐにアップしました。
数年前までは「このミス」にランクインした本をかなり読んでいたのに、最近は1、2冊がいいところです。この『容疑者…』は驚きと感動があるうえ、読みやすいのでおすすめです。『葉桜…』は毛色の変わった面白さで、隠れた(?)テーマがよいのです。
投稿: Tompei | 2006/01/18 12:33
読みました!1600円 映画館でロードショー1800円と比べると、損はさせないですね。十分楽しめました。献身というタイトルは最後にその意味がわかりますね。映画だと誰がどの役とキャスティングを考えるのが楽しいですね。
投稿: 惑 | 2006/01/22 22:17
>惑さん
おはようございます。
もう読まれたのですね! 今、この本と『白夜行』が売れているようで、東野ファンとしては嬉しい限りです。
キャスティングを考えるのも面白いですよね。石神先生は吉岡秀隆くんなんてどうでしょう? 昨日、彼の数学教師を見たばかりだから、そう思うのかな?
投稿: Tompei | 2006/01/23 08:47
Tompeiさん、
やっと手に入れて読み終えました。
面白かったです。
最高ですね~。
白夜行とはまた違った面白さで、かなり楽しめました。
投稿: ぶんぶん | 2006/03/16 20:33
>ぶんぶんさん
こんばんは。
純愛ゆえにあんな大胆な隠蔽工作をしてしまうなんて、哀しすぎますよね。彼の想いには胸を打たれたけれど、個人的にはああいう男は苦手です(^^;)。
東野さんの次回作が楽しみですね。
投稿: Tompei | 2006/03/17 00:50