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2006/02/11

アメリカ映画のヒーロー

 アメリカ映画のヒーローと言えば、まず誰を思い浮かべますか? 私は、ロッキーやジェームズ・ボンド、そしてスーパーマンあたり。先週、NHKのBS放送で『アメリカ映画のヒーローと悪役』(公式サイト内のリスト)という番組をやっていて、つい見入ってしまいました。

 AFI(アメリカ映画協会)が選んだヒーローのトップ1は、『アラバマ物語』のアティカス・フィンチ(グレゴリー・ペック)。2位のインディ・ジョーンズ、3位のジェームズ・ボンドを押さえて堂々の1位でした。

 『アラバマ物語』……見たことのない古い映画だったので、どんな映画なのか興味津々。ぜひ見てみたいと思っていたら、昨夜BSで放映されたのでさっそく鑑賞しました。

 舞台は黒人差別意識が根強い1930年代のアメリカ南部の小さな町。弁護士のフィンチは、レイプ事件の容疑者である黒人(実は冤罪)の弁護を引き受けます。すると黒人に偏見を持つ町の人々から冷たい仕打ちをされたり、子供まで学校でいじめられたりしますが、フィンチは淡々と誠実に自分の職務をまっとうします。

 この映画はそんなフィンチの姿が子供の目から語られます。その親子関係が魅力的だし、子役たちの演技がうまくて引き込まれました。グレゴリー・ペックが素敵なのは言うまでもありません。心に染みるいい映画でした。

 父親の仕事が原因でいじめに遭って、「何故、弁護を引き受けたの?」と問いかける子供に、フィンチは「これを断ったら、自分の仕事にプライドを持てなくなるから」と答えます。フィンチは大冒険をするわけでも、世界的な悪党をやっつけるわけでも、積極的に黒人差別反対運動に参加するわけでもないけれど、偉大な無名の「ヒーロー」なのでした。

 このベストテンの選考はAFIによるもので、一般のアメリカ人が選んだらまったく違う結果が出そうですが、ちょっとアメリカを見直しました。

アラバマ物語
アラバマ物語

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コメント

「アラバマ物語」は、一時「暮らしの手帖」でお勧めだったので、いつか読みたいと思いつつ未読です。
この間よんだ『「風と共に去りぬ」のアメリカ』関連で読んでみようかな。

投稿: | 2006/02/11 16:35

>涼さん

 こんばんは。

 原作もよいらしいですね。機会があれば読んでみたいけれど、そこまで手が回るかどうか……。

 この作品の原題は『ものまね鳥を殺すには(To Kill A Mockinbird)』といって、タイトルにも意味があるのです。『アラバマ物語』という邦題が味気なく感じられます。

投稿: Tompei | 2006/02/11 20:05

マザーグースは、関係ないのかなぁ。
『アラバマ物語』では、ホント味気ないですね。でも、(暮らしの手帖の裏表紙に描かれていた)女の子の姿が、変に思い出されます。

グレゴリー・ペック=「ローマの休日」みたいな印象がありますが。


投稿: | 2006/02/11 20:25

>涼さん

 マザーグースとの関連はわかりませんが、下記のサイトにmockingbirdについての説明がありましたので、ご興味があったらご覧ください。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1853064

>グレゴリー・ペック=「ローマの休日」みたいな印象がありますが。

 私も『ローマの休日』以外では初めて見ました。ペックはこの『アラバマ物語』でアカデミー賞主演男優賞を受賞しているんです。『ローマの休日』では無冠だったのに、そっちのほうが断然有名ですよね。

投稿: Tompei | 2006/02/11 22:36

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» きっと僕には生きてる実感がないんだ [Das Ende von dieser Welt]
君を傷付けることで生きてる実感を感じる [続きを読む]

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» 「アラバマ物語」(1962) [りゅうちゃんミストラル]
映画「アラバマ物語」(1962)をNHK衛星放送で観た。(この記事はネタばれあり)     この映画に登場するフィンチ弁護士(グレゴリー・ペック)。彼は2003年の「最も偉大な映画ヒーロー」の投票で1位となった。007、スーパーマン、インディージョーン...... [続きを読む]

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