『国家の品格』(藤原正彦)
新聞紙上で著者の藤原氏がライブドア事件について語っていた内容に興味を持ったので、話題の本を読んでみました。要旨は下記のとおり。
日本は戦後、欧米に追随して「論理と合理」に身を売り、我が国古来の「情緒と形」を捨てた結果、「国家の品格」をなくしてしまった。論理や合理は、情緒や形があってこそ完全なものになる。だから日本は、日本古来の武士道精神に見るような高い精神性を取り戻して、孤高たる品格を保つべきだ。それが国際貢献にもつながる。
少々感情的で思い込みが過ぎるようにも感じましたが、賛同できる箇所もたくさんありました。「卑怯を憎む心を育てなければいけない」「国際人を育てるためには英語よりも読書が大切」「国の発展には真のエリートが必要」などは大賛成。つまり教育が国の行方を左右すると思うので、国には小手先ではなく先見を持って教育制度を考えて欲しい、と改めて思いました。
この本はベストセラーを驀進中のようですが、読者は著者の提言に賛成にしろ反対にしろ、日本の現状を考えるきっかけになったのではないでしょうか。私としても、その意味で読んでよかったと思える本でした。
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コメント
私が以前から思っていたこと
国際化:まずニッポン人というアイデンティティーが重要。迎合するとなめられる(無視される)
英語:ろくに母国語をマスターせずにやってもノンセンス
民主主義:そもそもこれって外国の受け売り?いまでも横並びとかソシキとか、全体主義が横行してる
感想:まだ詳細に読んではいませんが、このような内容がベストセラーになるのは「民主主義」が進化した証拠?皆さん、ソシキが変な方向に向かうと思ったときは、声高に言いましょう「おかしいですよ」と
投稿: おおいし | 2006/03/26 23:29
>おおいしさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
欧米からのお仕着せの民主主義をそのまま受け入れるだけでは駄目だということに、日本人はようやく気がつき始めたところかもしれませんね。英語ぺらぺらの見かけだけの国際人ではなく、日本人としてのアイデンティティーを持った真の国際人を育てないとこれからの世界に対応できないと思います。
と言っている間にも、9割以上の公立小学校では何らか英語教育が始まっているそうで、今後の行方が気になります。
投稿: Tompei | 2006/03/27 09:10