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2006/03/08

久世さんのドラマ

 久世光彦さんの急逝に驚きつつ、かつて久世さん演出のドラマに夢中になった日々に思いをはせるこの数日……。こちらでは以前、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』について思い入れたっぷりの記事を書いているので、改めて書くまでもないと思っていましたが(『寺内…』に少々追記あり)、やはり何か書いておきたくなりました。

 ワイドショーでお通夜、告別式のようすを見ていると、歳を重ねた懐かしい顔が次々に映り、感慨もひとしおです。こうした悲しみの席ではなかったら、どんなによかったか……。そこに挿入される当時のドラマの映像がまた懐かしくて、「みんな若かったな」としみじみ思います。

 あれから、世の中は随分変わりました。卓袱台(ちゃぶだい)などあまり見かけなくなったし、道具としての卓袱台はあっても、家族全員が毎朝毎晩それを囲むという風景はほとんど見られなくなりました。こうしてどんどん遠ざかっていく昭和という時代を追い求め、そこにあった確かなものを再現し続けたのが久世さんでした。単なる懐古趣味ではなく、日本人が忘れかけている大切なものを探し続けた方でした。

 昨年、映画『三丁目の夕日』がヒットしたのは、今、日本人がそういうものを求めているからかもしれない……そう考えると、久世さんの急逝はますます惜しまれます。今年『時間ですよ』を作るという話もあったようで、それを見られず残念でたまりません。

 私にとっては、『時間ですよ』や『寺内貫太郎一家』に出会わなければ、ミーハー体質がここまで強化されなかったかも、と思うほど影響の大きいドラマです。ケンちゃんや周平さんに会わせてくれてどうもありがとう!と、久世さんにお礼を言いたい気持ちです。

 心からご冥福をお祈り申し上げます。

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コメント

突然の訃報で、ビックリしました。
「時間ですよ」は、再放送の話があったそうですね。過去記事ですが、トラックバックさせていただきました。

投稿: | 2006/03/08 13:05

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» 久世光彦【触れもせで】 [徹也]
向田さんのエッセイは殆ど読んでいると思っていたが、その執筆は脚本に比べてかなり後年だったことが意外だった。 [続きを読む]

受信: 2006/03/08 13:02

» 久世光彦さん急逝 [七五白書 (しらけないために)]
『〈畳の上では死ねない〉という言葉はいまでは死語である。ろくな死に方はしないという比喩としての意味はいきていても、実際畳の上で死ぬ人なんて、いまどきめったにいやしない。(略)申し合わせたように〈心不全のため……都内の病院で〉』と久世光彦著のエッセー「家の匂い 町の音ーむかし卓袱台があったころ」に書かれています。  人気ドラマ「時間ですよ」、「寺内貫太郎一家」で知られた演出家の久世光彦さんが2日、虚血性心不全で急死と報じられ... [続きを読む]

受信: 2006/03/08 15:13

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