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2006/05/30

二つの訃報記事

 今日の朝刊に並んでいる二つの訃報記事が悲しい。岡田真澄さんと米原万里さん。年代もご活躍された世界も違うけれど、癌による死という共通点がいっそうの悲しみを誘います。

 「ダンディー」という形容詞が誰よりも似合った岡田真澄さん。なのに、一番最近の岡田さんというと、クイズ番組「サルヂエ」のサルの扮装姿がよみがえってくるのがおかしいやら切ないやら。この番組を病気で降板した後、一時は仕事に復帰されていたのに、こんなに早く訃報を聞くことになろうとは。

 一番私の印象に残っているのは、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』のジョルジュ役。ゲイの夫婦で男性の妻アルバン(市村正親)を愛する夫の役でした。カッコよくて明るくて包容力があって、ジョルジュにはぴったりでしたっけ。この名コンビによる『ラ・カージュ…』をもう二度と観られないと思うと、残念でたまりません。

 そして、米原万里さん。鋭い視点とユーモアのある語り口のエッセイが大好きでした。冷戦時代にプラハのソ連学校で学んだ米原さんが、その学校生活や同級生のその後の人生を語った『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)はとりわけ印象深く、馴染みのない東側の国を垣間見て驚くことしきりでした。

 ご自分の癌について書いた文章も拝見しましたが、米原さんらしい客観的で淡々としたものだったように記憶しています。大学院の同級生でロシア・東欧文学者の沼野充義氏の追悼記事(読売朝刊に掲載)によると、沼野氏が送った見舞い状に対して、米原さんは逆に「とにかく楽しく生きましょう」と励ましてくれたとのこと。常に前向きに生きた方でした。

 お二人のご冥福をお祈り申し上げます。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
 

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コメント

私は、『とんねるずのみなさんのおかげです』世代なので、ノリさん(木梨憲武さん)演じる仮面ノリダーの敵役「ファンファン大佐」が好きでした。
『サルヂエ』を降板されたときはショックでしたが、元気になって戻ってきたと思ったらお亡くなりになったなんて・・・(泣)
心からご冥福をお祈りします。

投稿: アリス | 2006/05/30 10:22

岡田さんの訃報もショックでしたが、私その前に米原さんの訃報をやはりネットで知りショック受けてました。

米原さんのお声を最後に聞いたのはHNKラジオに本の紹介で出演されていた時です。さらっと、深い洞察力のあるコメントで思わず本屋に行きましたもの・・・。

>鋭い視点とユーモアのある語り口のエッセイが大好きでした。
私も~。コラムなんかにチョコっと書かれる文章もさすがとうなりましたねえ。
お二人ともまだまだやり残されたことがおありだったでしょう。残念です。

お二人のご冥福をお祈りいたします。

投稿: 桜桃 | 2006/05/30 14:29

 アリスさん、桜桃さん、こんばんは。

>アリスさん

 そうそう、仮面ノリダーの敵役でしたっけね。でも、ファンファン大佐という名前とは知らなかったわ。ファンファンは若い頃からの愛称らしいけれど、本当にそんなイメージでしたよね。

 ちなみに、昔々(アリスさんが生まれる前)のテレビドラマ「マグマ大使」で主人公の少年マモルの父親役だったことも知りました。私は見ていたのよ(^^;)。

>桜桃さん

 桜桃さんも米原ファンでしたか。まだ読んでいないエッセイがあるはずだから、今度読んでみようかな。

 私は米原さんのお声を聞いたことがあったかしら。テレビに出演されているのを見たような気がするけれど……。通訳として要人に随行していたのも、きっと目にしているはずですよね。

投稿: Tompei | 2006/05/30 21:55

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