« 2006年5月 | トップページ | 2006年7月 »

2006/06/29

「お寺の花子さん」

 電車で乗り合わせた二人組の女の子が、こんな歌を歌いながら遊んでいました。「お寺の和尚さんが かぼちゃの種をまきました 芽が出て ふくらんで 花が咲いたら 枯れちゃって…」。えーっ、枯れちゃうの?! おばさん(ワタシ)はびっくりしました。

 この歌、どうやら「和尚さん」が多数派のようですが、私が子供の頃、歌っていたのは「花子さん」。そして、ちゃんと実がなるんですよ!
  (セッセッセーのヨイヨイヨイ)
  お寺の花子さんが かぼちゃの種をまきました
  芽が出て ふくらんで
  花が咲いて 実になって
  花子さん 花子さん
  (じゃんけんをする)
という具合でした。両手で花を咲かせた後、両手をげんこつにして実をイメージしました。

 地元以外の友人にこの話をすると、「和尚さん」&「花が咲いて じゃんけんぽん」だったと言う人ばかり。かぼちゃの種なんだから、実がなるのが正統派と思いたいけれど、「実になって」と歌っていた人をまったく知りません。

 「枯れちゃって」というのは、最近のバージョンなんでしょうか? いかにも今時の発想ですよね。とは言え、こういうわらべうた遊びが続いているのは嬉しいかぎり。ひさしぶりに見聞きしたような気がします。

関連記事:
「満州の山奥で」 (2004年12月10日)

| | コメント (13) | トラックバック (0)

2006/06/27

この音、聴こえますか?

 最近、欧米では「若者にしか聴こえない着信音」というのが話題になっているらしい(こちらの記事)。モスキート・リングトーン(蚊の着信音)といって、蚊の羽音のような音なんだそうです。

 人間に聴こえる可聴域は20Hz(ヘルツ)から20000Hz程度ですが、上限は年齢とともに低下するとのこと。聴覚は25歳あたりから衰えが始まり、老化が進んで老人性難聴になると、上限が500Hzから1000Hz程度まで落ち込むこともあるそうです。

 というわけで、老化した耳には聴こえない高周波数の音を利用したのがモスキート・リングトーン。実際の蚊の羽音は人間にも十分聴こえる周波数だけど、モスキート・リングトーンは17000Hzの音域が使われているんですって。若者にしか聴こえないから、優越感にひたりつつ、学校や会社でこっそり使用するようです。

 みなさんもどんな音か聴いてみたい、いや、聴こえるかどうか試してみたいでしょう? こちらのサイトでトライできるので、ぜひどうぞ! あ、私? 私はですね……15102Hzははっきり聴こえるのに、次の16000Hzはダメでした。ボリュームを上げて何度も試してみたんですけどね……。悲しいかな、もうかなりキテいるようです。

【追記】(6月28日)

 桜桃さんが今日の記事で、子供さんたちの結果をお知らせくださいました。

> 次男15歳 
>15102Hz ← OK
>16000Hz ← OK
>16961Hz ← OK
>17959Hz ← 音量を少しあげてOK
>
> 長男19歳 
>15102Hz ← OK
>16000Hz ← OK
>16961Hz ← 音量を少しあげてOK
>17959Hz ← 音量を少しあげてOK
>
> 長女21歳 
>15102Hz ← OK
>16000Hz ← OK
>16961Hz ← 音量を少しあげてOK
>17959Hz ← 駄目らしい^^;

 私にはまったく聴こえないのに、若者にはちゃんと聴こえることが証明されました。しかも、ちゃんと年齢順の結果が出ているところが興味深いです。桜桃さん、ありがとうございました。

| | コメント (7) | トラックバック (1)

2006/06/24

『出没アド街ック天国』

 今夜放映された『出没アド街ック天国』(テレビ東京)のテーマは「押上・吾妻橋」。生まれ育った地元なので、どんな場所が出てくるか、興味津々で見ました。

 実家の隣りの家が登場するわ、町内会のおじさんが登場するわ、小学校時代のクラスメートの家が登場するわ、何だかやけに興奮しました。がしかし、やっぱり、これといって何もないところでした。こんなところに新東京タワーが建つんですよ!

 世界一の王監督が生まれ育った街に世界一のタワーが建設される……それが自慢の街。そういえば、王監督は、私が通った業平小学校の先輩で、創立50周年の式典に来てくれたことがありましたっけ。戦前から地元に住んでいる母は、王監督の実家の中華料理店で食事をしたこともあるそうです。こんなことが自慢の種だったりする地元民。

 でも、今日の番組を見て思ったのは、「世界一」とは無縁ながら地道に自分の仕事をまっとうしている人たちの格好よさ。家業を一筋に守っている職人気質の人が多いのは下町ならでは、かもしれません。そういう下町魂が私にもあるといいけれど……。

 あと5年したら世界一の新東京タワーの街になる……期待はもちろん大きいものの、失くしてしまうものもたくさんあると思うと、ちょっと複雑な気持ちです。地元の人が誇りに思えて、応援したくなるような存在になるといいなぁ。王監督みたいに。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2006/06/22

江戸城のハナショウブ

06062204

 そうだ、皇居に行こう……唐突に思い立ちました。あいかわらず大奥モードゆえ、図書館から『江戸城と将軍の暮らし』という本を借りてきて読んだら、江戸城の本丸と二の丸の跡地である東御苑は無料で開放されているとのこと。そこで、さっそく東御苑のサイトを見たら、「二の丸庭園のハナショウブの見頃は過ぎましたが、22日頃までは見られます」と書いてあるではありませんか。「これは今日行くしかない!」と思ったのです。

 子供の頃、お正月の一般参賀に行ったことはあるし、武道館周辺の北の丸公園を散策したこともあるけれど、東御苑に入ったのは今日が初めて(のはず)。大手門をくぐって、至る所に立派な石垣が残っている城内に入ると、徳川将軍の威厳を肌で感じました。

06062208_1

06062310

 上の写真は、本丸跡の広大な芝生と、その遥か奥に見える天守台。天守台の手前に大奥、その手前に将軍が政務を執った中奥がありました。

 下の写真は、反対側から見た天守台の石垣。かつてここに日本一の規模の天守閣が建っていましたが、明暦の大火(振袖火事)で焼失し、以後、天守は再建されませんでした。

 長いこと東京で暮らしているのに、まだ知らない場所があったとは……しかも東京のど真ん中に。周囲の喧騒から隔絶された別世界のような空間が中心部にこうして残っているのが、東京の奥深いところかもしれませんね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/06/17

『昭和史(戦後篇) 1945→1989』(半藤一利)

 一昨年読んだ『昭和史 1926→1945』の後編。前編同様、著者の講義を文章に書き起こした本なので、分厚い本にもかかわらずとても読みやすく、敗戦後の日本がどのように復興して現在の状態に至ったかが、1930年生まれの著者の実感を交えてわかりやすく語られています。

 とくに、アメリカの占領下、GHQによる指令で日本が大きく改革させられた時代に多くのページを割き、順を追って詳しく説明されており、たいへん興味深く読みました。天皇象徴制、主権在民、戦争放棄を謳った新憲法成立までの紆余曲折、戦争犯罪人を裁いた東京裁判など、聞いたことはあるけれどよく知らないことが種明かしのように語られ、「そうだったのか」と納得しました。

 こうして歴史を詳しく読むと、歴史の流れや世界情勢、国の事情など動かしがたい状況はあるにしても、為政者たちの考え方や姿勢が国を左右することを実感します。政治なんて誰がやっても大差ないと白けた気持ちでいてはいけないようです。

 ふだんはお気楽に自分のまわりのことしか考えていない私ですが、知らず知らず日本の行く末を案じてしまいました。私利私欲に走らず、大局を見据えて日本を導く大人物が出てこないものか……まずは、そういう人物が出てくるような土壌を作らなければなりませんね。日本人であることを誇りに思えるような国になって欲しい、と願わずにはいられません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/16

「たそがれのTompei 追憶の東京都編」

 桜桃さんのブログで紹介されていた「あなたの賞品企画室」というのをやってみたら、こんな結果が出ました。あ、タイトルは商品名なんです、悪しからず。

◇キャッチコピー:
   ○○年間の軌跡を辿り、お届けする感動の一遍
◇種類別名称: 
   2時間ドラマっぽい見出しなのだがよく見ると、
   ○○歳の女性(人間)
◇商品名: 
   たそがれのTompei 追憶の東京都編
◇原材料名: 
   平凡だった子供時代
   何事も粘り強い忍耐力
   思いやる心
   100歳以上生きてしまいそうな健康美
   人のアドバイスを聞かない頑固者
   僅かな過ちへの謝罪
   糖分
   着色料(茶色8号)
◇賞味期限:
   人間としては後、51年くらいです。
   異性の対象としては後、10年くらいです。
(中略)
◇「たそがれのTompei 追憶の東京都編」の販売数見込み
   東京都出身者の41%が欲しいと一瞬思ったが、
   実際売れた数は1323個

 「たそがれ」ね……(^^;)。賞味期限切れじゃなくてよかった(^^ゞ。1323個もお買い上げありがとうございます。在庫が山ほどあるので、どうかよろしく! ヒソカに値引きにも応じます。

 桜桃さんの記事にトラックバックを送らせていただきます。

| | コメント (5) | トラックバック (1)

2006/06/15

『徳川の夫人たち』(吉屋信子)

 何故か、今頃、大奥がマイブームです。テレビドラマを断片的に見て、何となく大奥のようすは知ってはいるものの、改めて小説を読んでみると、これがたいへん面白い。まず、松本清張の『大奥婦女記』でおおまかな流れと有名な人物を知った後、この小説を読みました。

 三代将軍徳川家光の側室、お万の方の一代記。家光のお召しによって、17歳で尼寺の住職から還俗させられて大奥入りしたお万の方の数奇な運命を、吉屋信子が格別の思い入れを持って綴った小説です。

 京の公卿の娘という高貴な生まれで、学識豊かで才知にたけ、しかも若さと美貌を兼ね備えたお万の方は、尼僧から将軍の愛妾という運命の転変を泣く泣く受け入れ、やがて家光の寵愛を一身に受けるようになります。そして、子を持てない弱い立場でありながら、春日局亡き後、取締として大奥を仕切ります。

 その若さでちょっと人間ができすぎじゃない、と思いつつ、思い入れたっぷりの吉屋信子の文章に誘われ、ついお万の方に肩入れしながら読みました。視点を変えれば、お万の方だって鼻持ちならない女になりかねません。そのあたりが大奥ものの面白さかもしれませんね。

 ドラマでは「嫉妬と確執が渦巻くドロドロした女の世界」という面ばかりが強調されますが、吉屋大奥はさすがに格調高く、華やかな大奥絵巻という印象でした。

徳川の夫人たち 上 朝日文庫

徳川の夫人たち 下 朝日文庫

関連記事:
『続 徳川の夫人たち』(吉屋信子) (2006年7月13日)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/14

『コパカバーナ』(宝塚星組公演)

 バリー・マニロウの『コパカバーナ』という歌はご存じの方も多いと思いますが、彼がその歌を基にして同名のミュージカルを作ったのはあまり知られていません(よね?)。現在、そのミュージカル『コパカバーナ』を宝塚の星組が上演しているので、観に行ってきました……ちょっくら梅田芸術劇場まで。だって、東京公演はないんだもの。

 軽くて他愛ないミュージカルコメディーで、「ああ、楽しかった」と後味よく劇場を出られる作品。湖月わたる率いる星組は重々しいお芝居が続いていたので、退団公演の前にこういうコメディーを観られて嬉しかったです。遠征した甲斐がありました。

 帰宅してから改めて原曲の歌詞を見てみたら、あらま、本当に歌詞の通りの話でした。ローラというショーガールが出てくるのは知っていたけれど、トニーやリコという名の男が登場するなんてちっとも知らなかった。昔、ヒデキがコンサートで歌っていた日本語訳は、こんな内容だったかしら。

 楽しく観劇できて大満足の1日でしたが、昼夜2回観劇しての日帰りはさすがに疲れました。劇場の客席に座っている時以外は常に時間に追い立てられている感じ。1泊してのんびりしたかったなぁ。本場のねぎ焼きを食べたかったし……。

 星組の次の公演は、とうとうわたるくんのさよなら公演。いつもは待ち遠しい公演も、今回に限ってはずっと来て欲しくない気持ちです。どうか、いい作品でありますように!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006/06/11

「二三六」(下北沢)

 一昨日は神保町、昨日は下北沢……夫不在の週末に遊び歩く悪妻です。あ、夫がいても平気で出かけますが、やっぱり解放感が違いますからね。夫も今ごろ、解放感にひたっているに違いない……どっちもどっちです。

 さて、昨日のお目当てはお好み焼。1ヵ月程前、テレビの「VVV6」に登場した関西風お好み焼のお店「二三六(ふさろく)」(livedoorグルメ)です。ねぎ焼きがとても美味しそうだったので、一度食べてみたかったのです。カウンターが10席程の小さなお店のようなので、混まないうちに、と5時前に入店。

 生ビールを飲みながら、注文した豚ねぎ焼きと明石焼きが焼きあがるのを見守る、期待に満ちたひととき。薄い生地の上に山盛りの青ねぎと豚バラを乗せ、ひっくり返してコテで圧縮、整形。仕上げにお醤油ダレを塗って出来上がり。これが何とも美味しくて……お醤油が焦げた香ばしさとねぎの絶妙な組合せに一口で魅了されました。

 ねぎ焼きといえば、本場関西では「スジこん」(牛スジとこんにゃくを煮たもの)を入れるのが一番人気とか。このお店でも注文が多いようでした。次回はぜひ、牛スジねぎ焼きを鉄板から直接コテで食べよう。それが関西の流儀なんですって。明石焼きも、追加注文した焼きそばなども美味しかったけれど、やっぱりねぎ焼きが一番気に入りました。

 お茶は、普通の民家を改造した「mois cafe」で。店内には不思議なモビールや絵や小物が展示されていてシュールな雰囲気でしたが、これは期間限定のイベントらしい。展示物のないシンプルな空間のほうが情緒がありそうです。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006/06/10

「ボンディ」(神保町)

 昨日、神保町にある欧風カレーのお店「ボンディ」(公式サイト)に行きました。少し前に訪問先ブログで話題に出て、ひさしぶりに行ってみたいと思っていたところ、さっそく行く機会に恵まれました。友人が選んだお店がたまたまここだったのです。

 15年ぶりくらいかしら……いや、20年近いかもしれません。そのせいか、岩波ホールのビルの横丁を入ったあたりで「こんなところだっけ?」と不安になり、古書センタービルの裏口を入っていく時「なんか怪しげな雰囲気」と感じてしまいました。あんな劣悪な(?)立地条件にもかかわらず、20数年(私が知るかぎり)も営業を続け、さらにフランチャイズで発展しているのは、ひとえにカレーが美味しいからでしょう。

 行く前からさんざん迷ったあげく、野菜カレーの甘口を注文。思えば、野菜カレーは初めてかも……昔は肉系かエビカレーをよく食べていたような……チョイスにも年月の流れが感じられます。でも、あいかわらず"お子ちゃま"なので、辛口は苦手。

 まず、茹でたジャガイモが出てくるのも昔と同じ。小さめだったせいか、1人分3個ずつ6個もありました。そして、チーズがまぶしてあるライスに、甘めでコクのあるカレーもあの頃のまま。ああ、これが「ボンディ」の味だったわ、となつかしく思いながら堪能しました。ブロッコリー、ナス、カリフラワー、オクラ、プチトマト、しいたけ、大根などなど、たくさんの野菜が入っていていました。

 お茶はお店を替えて、近くの喫茶店「古瀬戸」へ。城戸真亜子さんの迫力ある壁画が印象的なお店です。ここのカレーも美味しいらしいですね。今度はぜひこちらのカレーも食べてみたいと思います。

 神保町の話題を書いていらしたぶんぶんさんの「昔を懐かしむ神保町オフ」と陶片木さんの「神保町オフ」に、トラックバックを送らせていただきます。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2006/06/09

人前でのお化粧を認められますか?

 「電車の中でお化粧をする女」については、2年前にこのブログでも取り上げましたが、その後も化粧女に遭遇する頻度はますます増え、お化粧の内容はますます多彩になっているように感じます。

 はたして、これは日本だけの現象なのでしょうか? 「欧米では、人前での化粧は売春婦の客引きのサイン」とも言われますが、実際はどうなのでしょう?

 ブログ「善福寺手帳」のyoshiさんが昨日の記事「続・乗り物での化粧」で、アメリカの質問サイトの興味深いやりとりについて書いていらしたので、ご本人の了解を得て、和訳して転載させていただきます。

  質問:人前でお化粧直しをしても大丈夫ですか? 
      それともお化粧室に行くべきですか?

  回答:議論の余地のある問題ですが、お化粧室でお化粧直しを
      するのがベストであることに反論する人はいないでしょう。
      (中略)

      以下は、人前でやっても何とか許容できるものです。
       ・ハンドクリームを軽く塗る
       ・リップクリームをさっと塗る
       ・指で頬骨に頬紅を塗る
       ・鼻先にパウダーをはたく
       ・ロールオンタイプの香水をつける
       ・髪をかき上げる
       ・割れた爪にさっとやすりをかける

      以下は、人前でやってはいけないことです。
       ・体のどこかにたっぷりローションを塗る
       ・頬紅用ブラシ、スポンジ、マスカラ、アイシャドーなどの
        化粧用具を使う(上記の鼻先のパウダー以外)
       ・香水を吹きかけたり、ヘアスプレーを使う
       ・髪をブラッシングする
       ・口紅を丁寧につけ直す
       ・マニキュアを塗ったり、爪を切ったり、研いだりする

 なかなか面白いでしょう? この答えを皆さんはどう思いますか?

 要するに、急場しのぎのお化粧直しを手早くする分には、まあ見て見ぬふりをしましょうということのようです。とは言っても、例えば、格式のあるレストランで連れの女性が目の前でパウダーをはたき始めたら、男性はやっぱり嫌な気がすると思うんです。同じ女性としても見たくないし……。TPOをわきまえ、まわりの空気を読むことが大切な気がします。

 お化粧直しではなく、電車の中で一からお化粧をすることはまったく想定されていませんね。論外のマナー違反だからでしょう。アメリカにも化粧女がいるかどうか、実態を知りたいところです。

 ヨーロッパ人の回答も聞いてみたいですね。もっと厳しい結果が出るのではないでしょうか。

 yoshiさんの記事にトラックバックを送らせていただきます。面白い情報をご紹介いただき、ありがとうございました。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2006/06/05

『文章読本さん江』(斎藤美奈子)

 ものすごく面白くて、一気に読了しました。谷崎潤一郎『文章読本』、三島由紀夫『文章読本』、清水幾太郎『論文の書き方』を文章読本界の御三家、本多勝一『日本語の作文技術』、丸谷才一『文章読本』、井上ひさし『自家製 文章読本』を新御三家に選定。その他何十冊もの文章指南書を徹底分析して、鋭く考察した評論です。

 と言うと、いかにも硬い論文のようですが、斎藤美奈子流の緩急自在な文体で、新旧文章読本を容赦なくばっさばっさと斬っていきます。時に会話体やパロディを交えてわざとオトシつつも、評論としての品位を保っている絶妙なセンスに感服するばかり。

 各時代の文章指南書の背景を検証するために、日本の作文教育の歴史にかなりのページを割いていますが、これがまた興味深くて面白い。結局、現在の文章読本は、「子どもらしい『表現の意欲』を重んずる学校作文と、大人っぽい『伝達の技術』求められる非学校作文」の隙間を埋めたもの、と著者は結論づけています。そして最後に、「文は服なり」と主張しています。

 何を隠そう、私は文章指南書につい手を出したがる性癖があって、本多本と井上本は本棚に並んでいるし、ほかにも読んだ覚えがある本が続々出てきて、かなり笑えました。けれども、再認識しました。いくら「文章読本が説く五大心得」を心がけて、「文章読本が激する三大禁忌」を犯すことなく、「文章読本が推す三大修業法」を積んだとしても、斎藤さんのような文章力やセンスは絶対身に付けられない、と。

 文章読本のあれこれも面白かったけれど、何より印象深かったのは、斎藤さんの文章なのでした。

 文章読本が説く五大心得
  ①わかりやすく書け
  ②短く書け
  ③書き出しに気を配れ
  ④起承転結にのっとって書け
  ⑤品位をもて

 文章読本が激する三大禁忌 
  ①新奇な語(新語・流行語・外来語など)を使うな
  ②紋切り型を使うな
  ③軽薄な表現はするな

 文章読本が推す三大修業法
  ①名文を読め
  ②好きな文章を書き写せ
  ③毎日書け

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2006/06/01

文庫の文字サイズ

 最近の文庫は文字が大きめでありがたい。本の文字の大きさを気にするようになった我が身が悲しいけれど、老眼が進みつつある目には文字サイズは深刻な問題なのです。

 文庫は原則的に読んだら処分していますが、「いつかもう1度読みたい」と思うようなものは厳選して取ってあります。けれども、そういう本をいざ再読しようとしても、昔の文庫は文字が小さくて敬遠したくなります。そして、文字が大きい新装版が出ていれば、新たに買ってしまったりするのです(例: 『父の詫び状』)。

 手元にある文庫だけでなく、書店に並んでいる文庫の中にもいまだに文字の小さいものもあり、それしかない場合はたいへん困ります。いえ、読めないことはないんですよ。いちおう老眼鏡なるものも作りましたしね。でも、3年前に作ったこのメガネは度が弱すぎて、あまり役に立ちません(作り直さなければ!)。

 そうかと思えば、先日、図書館で借りてきた講談社文庫の<大きな文字で読みやすい新装版>は、文字がひときわ大きくて驚きました。読書のリズムが変わってしまいそうなほど、1ページの文字数が少ないんです。始めは戸惑いましたが、これに慣れたら、普通の新装版さえ文字が小さいと感じる始末。まして、小さい文字の文庫なんてとんでもない、という心境です。

 「ほぼ日」の「新潮文庫のささやかな秘密。」によれば、新潮文庫で現在、標準的に使用している文字サイズは、9.25ポイント。90年前の創刊当時には7.5P、戦後になっても昭和57年までは8P、以後、段階的に8.5P、9P、9.25Pと拡大してきたそうです。そして、すでに刊行されている小さい文字の文庫も、文字拡大の改版作業を進めているとのこと。

 文字の拡大化という心強い傾向を歓迎しつつ、老眼初期の今のうちに、読めるものはどんどん読んでおきたいと改めて思うのでした。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2006年5月 | トップページ | 2006年7月 »