31年ぶりの『星影の人』
私が宝塚を初めて観たのは昭和49年、雪組の『若獅子よ立髪を振れ』。ちょうど『ベルばら』初演の年です。以来、30年以上にわたって、宝塚を観続けていますが、その中で一番思い入れがある作品は、何と言っても『星影の人』。
昭和51年に雪組が上演した日本物のお芝居で、新選組の沖田総司の淡い恋を描いた佳作です。キャストは、沖田総司:汀夏子、芸者・玉勇:高宮沙千、土方歳三:麻実れい。私はこれを観て、汀夏子にはまり、同じ公演を何度も観る楽しみを知ってしまいました。実況録音盤LP(時代が偲ばれますね)を買い求め、繰り返し聴いたので、今でも主題歌や劇中歌はもとより台詞まで覚えているほど。
名作の誉れ高いのに、何故か今まで再演されませんでしたが、31年ぶりに再演が決定。本拠地宝塚や東京での本公演ではなく、名古屋の中日劇場で現在上演中です。名古屋だけの公演、しかも総司役はこの公演でトップお披露目の水夏希とくれば、私としては遠征せずにはいられません。
というわけで、昨日、名古屋まで行ってきました。満天の星空をバックに沖田総司が主題歌を歌うプロローグから、興奮と感動の連続。歌も台詞も美しく、ストーリー展開が無理なく自然で、これぞ宝塚の日本物!これぞ柴田先生の名作!です。
思い入れが強すぎて、最初は、目の前の舞台を観ながら昔の舞台のまぼろしを観ているようなところがありましたが、そのうち、水の総司をはじめ、現雪組メンバーのお芝居に引き込まれて、新しい『星影の人』を楽しみました。凛々しいミズ総司、しっとりしたトナミ玉勇、頼もしいユミコ土方など、出演者の健闘によっていい作品に仕上がっていて、星影ファンとしては嬉しいかぎり。
だからこそ、本公演で観たい! 広い舞台、生オーケストラ、フルメンバーでぜひもう一度観たい、と心から思いました。
併演のショー『Joyful!!Ⅱ』は、水の魅力を生かした新バージョンにアレンジされましたが、新しい組のスタートにふさわしい明るさは元のまま。思えば、このショーは元々、前トップのお披露目公演の作品だったんですよね。時代が変わり、メンバーが変わっても、夢とロマンのエッセンスは変わらないところが宝塚の魅力であることを改めて感じた1日でした。
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コメント
楽しまれたようで何よりです^^
じゅんこさんが初々しくでも颯爽と袴姿であの歌を歌いながら・・ってのを覚えています。・・が当時すでにしょうちゃんにはまっていた私は、他のシーンはうろ覚えなのです。残念。
>何故か今まで再演されませんでしたが、
雪で再演するなら、今までのトップを思うと水さんまで待つしかなかったんでしょうね~^^
私も観た~~~い!
投稿: 桜桃 | 2007/02/21 13:12
>桜桃さん
桜桃さんも初演をご覧になっているんですね。30年以上前から観ているなんて、私たちって、とっても幼い頃からヅカファンなんですね(^^;)。
>雪で再演するなら、今までのトップを思うと水さんまで待つしかなかったんでしょうね~^^
いや、こむちゃんはお似合いだと思いますよ、総司。そして、土方はかしちゃんか、みず……すごくそそられる~。だけど、玉勇さんがいなかったのよ。
そうそう、となみ玉勇さんはとてもよかったけれど、京ことばが怪しい時がありました。ほんのちょっとしたことなんだけどね。京ことばって難しいですね。
投稿: Tompei | 2007/02/21 18:12
名古屋遠征、楽しまれたようでなによりでした♪
「星影の人」初演時には、まだ生まれていなかったので
見てませ~ん(笑)。
宝塚ニュースで見た、水さんの凛々しい総司、
とてもお似合いのようですね。
う~ん、無理しても名古屋へ行くべきだったか。
山科愛ちゃんはいかがでしたか?
投稿: mymy | 2007/02/21 21:12
>mymyさん
しなちゃんは、初演では東千晃が演じた(あ、mymyさんはまだ生まれていなかったので、ご存じありませんよね(^^;)八木家の娘おみよ。可愛かったです! 総司を想って歌う「洗濯しながら今日も泣きました~♪」の歌がとてもよかった。女医の早苗(晴華みどり)との二重唱が心に沁みました。
中日は初めてだったけれど、舞台と客席が近くて観やすいですね。観劇は楽しかったし、ひつまぶしは美味しかったし、大満足の一日でした。ご一緒したかったわ。
投稿: Tompei | 2007/02/22 08:06
私も初演を観ました。
今でもあの切ない主題歌は胸に刻まれています。
「生きるときめき…」
子供だった私でも、沖田はんの切ない恋心に涙したものです。新宿コマでの公演でしたよね?確か。
今回名古屋には行きませんでしたが、
新しい雪組のスタートの公演にふさわしいお芝居とショーだったようで、良かったですね。
中日は朝海さん主演の「ロマンス・ド・パリ」を観に行きました。はあ〜懐かしい。
水さんもがんばれ〜!
p.s.コムちゃんの沖田総司、ミズさん(またはカシちゃん)の土方さん…。私もそそられます。
投稿: 茶菜 | 2007/02/22 15:17
>茶菜さん
茶菜さんも初演を観ていらっしゃるのね。乙女の時からずっとヅカファンというパターンが多いですよね。本当にありがたいことです(^^ゞ。
ところで、公式を見たら、なんとこの作品で全国を回るんじゃない! 早く言ってよ(^^;)。でも、ゆみこちゃんがいないとかなり心配。土方は誰がやるの? ショーだって、ゆみこちゃんのサポートの力が大きかったのに……。
こむ大海人、みずorかし中大兄とか、こむ紫子、みずorかし風吹とか、観たかった~! おいしいコンビなのに、男役同士がっぷり組むお芝居が少なくて残念でした。
投稿: Tompei | 2007/02/22 19:49
全国ツアーは今年の秋ですね〜。
埼玉や市川にも来るので、私はその時に観ますわ!笑
あ、その前にエリザもありますね。
土方さんはハマコさんがやるのではないかな?
でもショーは…。う〜ん、若手の美形男役たちにがんばってもらうしかないですね。これを機会にもっともっと成長してほしいです。
本当に1年前の雪組で、観たい作品がいっぱいありました。こむ紫子、水orカシ風吹…
もうこれをやってくれたら、その場で成仏してましたよ。
くぅ〜〜そそられる!
救いは「銀の狼」で水さんとがっぷり芝居できたことかな。あれは嬉しかったです。
コム時代の雪組はショーがすべて良かったので(ファンの贔屓目かもしれないですが)
これからも素敵なショー作品に恵まれると楽しいですね。
投稿: 茶菜 | 2007/02/23 13:36
>茶菜さん
>土方さんはハマコさんがやるのではないかな?
うーん、あんまりソソラレナイなぁ(^^;)。山崎さんからの昇格ってあるかしら? 私は、順当にキムかと……。こちらもぴったりはまるって感じじゃないけど。
美形若手がたくさん全ツに出ますように! でも、ゆみこちゃんのほうもドラマシティ&青年館だから手薄になってもいけないし、難しいところですね。
『銀の狼』ね、横浜で観たんですけど、お席が悪かったせいか、不覚にも意識が遠のくこと度々……すごく悔やまれます(--;)。コムちゃんは何と言っても、ショーマンでしたね。印象に残るダンスシーンがたくさんあります。
投稿: Tompei | 2007/02/23 15:10
初めまして、汀夏子で検索してこちらにたどり着きました。
私も最初に観た宝塚の作品が「若獅子よ立て髪を振れ」でした。
宝塚も初めてなら舞台を観ることも初めてでしたぁ~。
で、ショーの女装とのギャップで順子さんにノックアウト・・・
以来順子さんの雪組を順子さん退団の日(「青き軍神~」「ジャワの~」までは観ましたよ・・・)まで応援していました。
31年振りの再演「星影の人」には複雑です・・・
といいつつ市川公演に行こう!と思っている私がいます(笑)
2年前から宝塚を観始めました、出戻り新参者でございます、宜しくお願いいたします。
投稿: nekuneku | 2007/03/11 06:55
>nekunekuさん
はじめまして! ようこそいらっしゃいました(^^)。
『若獅子よ…』で宝塚デビューとは奇遇ですね! ショーは確か『インスピレーション』でおとみさん(安奈淳)が特出してましたよね。2人を判別できなかった記憶があります。
思い入れのある『星影の人』との再会は嬉しかったけれど、実は、心の中でたくさんダメ出ししていました(^^ゞ。31年前のあの舞台を観たいな、と叶わぬことを思いました。ショーの『ノン・ノン・ノン』も一緒にね。
2年前から宝塚に復帰されたとのこと……今はどなたのファンでしょうか? 第二の宝塚ファン生活を大いにお楽しみくださいませ。これからもよろしくお願いいたします。
投稿: Tompei | 2007/03/11 11:08
Tompeiさん、名古屋で「星影の人」を観て来られたのですね。以前、新撰組のコラムの中で「星影の人は、数あるタカラヅカの名作の中でもファンの間で再演希望が多いのに何故か上演されない作品」だと書いておられましたが、夢が実現してよかったですね。私がタカラヅカのファンになったのが1974年(昭和49年)タカラヅカ60周年記念の時に見た「ベルサイユのばら」の初演ですから、もうかれこれ30年前になります。雪組はその当時テレビ放映されていた「ザ・タカラヅカ」の公演中継で汀夏子さんがショーの一場面で「私の歴史」を歌われているのをきいてからファンになりました。
タカラヅカの男役というと「白馬に乗ったプリンス」のイメージですが彼女からは激しい情熱がひしひしと伝わってきて他の男役さんにないものをもっておられるなあと思っていました。演出の柴田先生は、タカラヅカグラフのコラムの中で「汀夏子の沖田総司は初日から完成に近かったが、玉勇役の高宮沙知は役をつかむのに苦労しており、特に沖田総司の病が結核だと聞かされて泣き崩れるシーンがうまくいくまでに時間を要した。」と書いておられました。見せ場が決まっている男役と比べて娘役は、相手を立てる演技をしなくてはいけないのでむずかしいとか。私はピーコさんのあでやかな着物姿が好きでした。タカラヅカももう何年も見に行ってないので知らない人ばかり。まるで浦島太郎です。子どもの手が離れたら、昔ファンだった友達と又いっしょに見に行きたいと思っています。それでは。
投稿: みかん | 2007/03/11 16:16
>みかんさん
そうなんです、長年の思いがかなって嬉しかったです。今、観ると、やや古い印象もありましたが、やはりいい作品でした。ジュンコさんの総司はみずみずしい透明感があって、でもその中に熱いものを秘めていて、一度で引き付けられました。表情もしぐさも台詞回しも声のトーンもインプットされているので、いちいちそれが浮かんできて困りました。
ジュンコさんとピーコさんはこの作品にはぴったりのコンビでしたよね。ピーコさんは関西の方だから、京ことばも美しくて、はんなりした芸者さんにはまっていました。
投稿: Tompei | 2007/03/12 08:17
tonpeiさん、お久し振りです。
全ツ雪組市川公演を観てきましたよぉ~。
緞帳があがってイントロがかかると、私の涙腺は全開・・・(TーT)
ターコさんふぁんだった友人と昔がたり・・・。
(友人は劇団四季に嵌っております。)
今年は月組さんだけ観ようかな(友人の一人が大空祐飛さんふぁん)って思います。
私も今は井上くん、浦井くん、中川くん、笹本玲奈ちゃんにはまりつつあります。宝塚は日にちとお金があれば・・・という感じ。(汀さんな私にとっては別格!!ですわ)
投稿: nekuneku | 2007/10/08 08:12
>nekunekuさん
こんにちは。「星影」をご覧になったんですね! 私はチケットが入手できず、今回はあきらめました。
私も中日劇場であのプロローグを見て、「おおお!」と興奮しまくりでした。そして、顔を見て「ジュンコさんじゃないんだ……」と思ってしまいました(^^ゞ。
あの頃、ジュンコさんとターコさんはかなり学年が違ったけれど、ターコさんは長身で大人っぽい持ち味だったので、総司と土方のバランスがよかったですよね。今回の全国ツアーは二人のバランスがイマイチのような気がしますが、いかがでしたか?
月組は現在、公演中なのでそちらもいらっしゃるのかしら? 大空さんはお気に入りの一人です(^^)←今はいろいろ気が多い。ほかのミュージカルもいろいろ見たいけれど、やはり時間とお金が足りません。
覚えていてくださって、コメントをいただけて嬉しかったです。
投稿: Tompei | 2007/10/08 11:28
はじめまして。
『若獅子よ立髪を振れ』を検索しておこちらへお邪魔いたしました。
ああ、同じ頃宝塚を観ていらっしゃったのだなと懐かしくなりましたがそれ以上に驚愕の事実を発見しコメントを入れさせていただきました。
Tompeiさま、わたくしは父から「とんぺい」と呼ばれておりました。そしていつのときからか「とんぺいとんぺいとんぺい。。。」で「ぺいとん」という名に変わってしまい現在はこれをハンドルネームにしております。
長いこと宝塚から離れておりましたがまた熱が復活しそうです。今はただ、5月の虞美人が心の支の毎日です。
お江戸の記事も楽しく拝見いたしました。
またお邪魔させてくださいね。
投稿: ぺいとん | 2010/01/25 08:26
>ぺいとんさん
ぺいとんさん、ようこそ!(^^) コメントありがとうございます。
とんぺい由来のハンドルのお話、嬉しく読ませていただきました。「とんぺい」より「ぺいとん」の方が洒落ていますね(^^)。実際に呼ばれることは想定していなかったので、オフ会などで「とんぺいさん」と呼ばれるとちょっと恥ずかしいです。もっとハイカラなハンドルにすればよかった!
昔の『虞美人』もご覧になっているのかしら? 私は残念ながら、観ていません。タイトルは同じでも新作らしいですが、やっぱり「赤いけし」の歌は聞きたいような気がします。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: Tompei | 2010/01/25 12:41