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2007/05/10

『黒蜥蜴』原作と宝塚歌劇

 GWに観た宝塚の『黒蜥蜴』(本題:明智小五郎の事件簿)があんまりヘンテコリンでキッカイな話だったので、江戸川乱歩の原作を読んでみる気になりました。

 乱歩の『黒蜥蜴』はグロテスクで妖しさいっぱいだし、ストーリー展開は荒唐無稽でありえないけれど、そこにこそ魅力があることを納得できる小説でした。講談調の文体に誘われて乱歩の世界に入り込んだら、とやかく言わずにどっぷりひたった者勝ちという感じ。

 そこに戦争やら結婚やら兄妹再会やらのヒューマンな要素を持ち込んで、それで共感を得ようというのはどこか違うような気がしますが……。あ、宝塚の話です。黒蜥蜴ってビジュアル的には宝塚っぽいけれど、実は「夢とロマンの」宝塚とは対極にあるので、結局、あんなふうに中途半端になってしまうのかもしれません。

 どうせやるなら、黒蜥蜴を主役にして男役にやらせて、もっとアブナイ世界を展開して欲しかった(爆)。オサ(春野寿美礼)にはナルシストな黒蜥蜴が似合いそうです。

 ついでに、三島由紀夫の戯曲も読んでみました。三島由紀夫は子供の頃、この小説を読んだのがきっかけで舞台化を思いついたとか。さすがに日本語が美しく格調高い。やはり一度は美輪明宏の黒蜥蜴を観なくては!

 実は私、小学生時代に江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを愛読していました。明智小五郎や怪人二十面相に読書の楽しさを教えてもらったようなものです。何十年ぶりかに乱歩ものを読めたのも宝塚のおかげ……と感謝しておこう(笑)。

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コメント

私も小学校時代、図書館に通って
江戸川乱歩シリーズを読んでいました。
勧められたのは、違う小学校の一年先輩の女の子でした。

三輪明弘のそれは見た記憶があります。
でも昔で、よく覚えていないのですが妖艶で美しかったです。
(その程度の感想では、感想にならないんですけど。(^^;)

投稿: 陶片木 | 2007/05/10 22:24

私も江戸川乱歩のは色々読んだけど、
「黒蜥蜴」は読んでないです。

私の場合天知茂の明智小五郎のイメージが強くって^^;
土曜サスペンス、よく観てたの(笑)

宝塚のは原作と大きくかけ離れているのですか?
あの作品で夢とロマンは難しいかも。
乱歩の世界ってどっちかというと淫靡な世界だもの^^;

三輪明宏さんの一度観てみたいものです。

投稿: ぶんぶん | 2007/05/10 22:37

>宝塚のは原作と大きくかけ離れているのですか?
別物です(ーー;)

だから感想を書けないままエリザベートに突入するらしい・・・。

>あんまりヘンテコリンでキッカイな話
突っ込まないで観てといわれていましたので、最初の1時間はそれでも、そこそこ頑張ってみたのですが・・。突如、???が飛び交い呆けてしまいました。周りが泣いていたりするので、私は自分が馬鹿なんだと思いましたよ~

投稿: 桜桃 | 2007/05/10 23:03

陶片木さん、ぶんぶんさん、こんばんは。
さっそくのコメントありがとうございます。

>陶片木さん

 陶片木さんも江戸川乱歩シリーズのファンだったんですね。私も学校の図書館で次々に借りていました。何があんなに面白かったんでしょ?(^^) 女の子が好むような世界じゃないはずなのに人気があったんですよね。

 美輪さんの黒蜥蜴をご覧になっているんですね。もう何度も再演されているのに、私は観ていないんです。ほかの舞台を観るのに忙しいから?!(^^;)

>ぶんぶんさん

 あ、ぶんぶんさんも読んでいるのね(^^)。実は今回読んだら、あまりにも時代がかった講談調なのでちょっと笑えました。

>天知茂の明智小五郎のイメージが強くって^^;

 そういえば、やっていましたね。私はほとんど見てないので、それより前の「非情のライセンス」のイメージのほうが強いです>天知茂。

 あのね、大きな声では言いたくないけれど……明智と黒蜥蜴が兄妹なの(--;;;;;。最後にそれがわかるのよ。唖然でしょ?

投稿: Tompei | 2007/05/10 23:11

>桜桃さん

 入れ違いで失礼しました。

 そうそう、珍しく感想を書いていませんよね(^^;)。「ラスト30分がとんでもない」と言っていたっけね。

 「戦争が終わった」とかいう歌が何度も出てくるからイヤな感じはしていたんだけど、まさかああいう展開になるとは……。そういう話を書きたければ、わざわざ黒蜥蜴を下敷きにしなくてもいいのに、と思いましたよ。

 オサの歌そのものはすごいと思うんだけど、何でそこまで黒蜥蜴に入れ込んじゃったのかわからないので、素直にはいりこめないの。そうだ、思い出した! 黒蜥蜴が「男を知らない」とか何とか言っていたわね。あれも唐突でヘン。

投稿: Tompei | 2007/05/10 23:30

エドガー・アラン・ポーをもじってペンネームにした江戸川乱歩、シャーロックホームズのコナン・ドル、全部小学生のときに沢山読みました、読みました。具体的な内容は覚えていないのですが、ワクワクドキドキしながら学校の図書室から借りては読んだのを覚えています。
ああいう本を読む楽しさを今の子供達はその両方から名前もらった江戸川コナンが主人公の漫画の名探偵コナンで楽しんでいるようですが、文字で読みイメージを膨らませる想像力は培われないような気もします。

投稿: | 2007/05/11 06:32

>惑さん

 名探偵コナンのフルネームが江戸川コナンとは初耳!(^^) マンガは誰もが同じ顔を思い浮かべるけれど、本はそれぞれ違う顔を想像するところがいいですね。

 市の図書館に行ったら、乱歩シリーズの児童書はいまだにあったけれど(結構新しい版)、今でも読まれているのかしら? どう考えても、今の時代には受けなそう>電報で犯行予告が届くような話(^^;)。とにかく子供たちには本を読む楽しさを知って欲しいなぁ。

投稿: Tompei | 2007/05/11 08:09

う~ん
とても素晴らしいご意見だと思います。
私はヅカの「黒蜥蜴」を観てヅカそのもの魅力にはとりつかれてしまいましたが(笑)内容そのものは???って感じたのは否めません。
素直というかアホなんで(爆!)「ああ、そゆものなのねん」とストレートに受け取ってしまうわけですな^^;
舞台が終わって少し原作を読みましたが、やはりヅカは(同行くださった方が言われたとおり)「ベツモノ」なんですよねえ。

私は江戸川乱歩の作品は読んでいませんが、これをTompeiさんの記事をきっかけに読んでみようと思います。
*今は酒場関係の本ばかり読んでますので^^;

投稿: みるきい | 2007/05/11 13:27

>みるきいさん

 宝塚は素直に楽しんでときめくのが一番です! でもね、長いことファン稼業をやっていると、ファン同士で作品や配役に突っ込みを入れたり、文句を言い合うのも楽しみの一つになります(^^;)。文句を言いつつも離れられないのがヅカファンなのです。

 どこかいい酒場が見つかったら、教えてくださいませ~(^^)。

投稿: Tompei | 2007/05/12 00:46

こんばんは^^
この、ついていけない宝塚版を、四捨五入したら20回観劇予定の私ですーー
あと2回よ2日よ。ふー

戦争兄妹はともかく、作者の女性観を表す台詞が私は受け付けないですねーー
それに、ご贔屓の話の展開が急すぎるのもーー;;;
まぁ本人は芝居の人ですし、自分でそれなりに納得して演じているので、ファンは納得して見ようとしていますが…

宝塚っていつもそうですけど、結局どんな作品でも生徒の力である程度見せてしまう。
作者は生徒に甘えるなーと言いたいんですけど、作者先生にはそんな自覚は露ほどもないでしょうしね。
良い作品が観たいです(切実)

投稿: 金木犀 | 2007/05/12 00:52

遅くなりました。

キムシンの黒蜥蜴、
まるで韓流ドラマみたいな展開で、目が点でしたが、
ドラマ作りの腕力は評価できるかも……。
好き嫌いは別にしてね。

新公のすみ花ちゃんがべらぼうに巧かったので、
本役さんは見劣りしてお気の毒。

すみ花ちゃんの初ヒロインを見に、
バウ遠征を検討中です(汗)。
青年館に来るなら、待っているんだけどね~。

投稿: mymy | 2007/05/12 08:08

金木犀さん、mymyさん、こんにちは。
いよいよ真打ちファン登場ですね(^^)。

>金木犀さん

 今頃はスクワットも済ませ、そろそろ劇場入りする頃かしら?(^^) 1ヵ月少々、お疲れ様でした! 終わっちゃうのは淋しいけれど、ちょっとほっとしたりもするのでは? 近頃、ヅカ熱が低調なので、そんなふうに盛り上がれて羨ましくもあります。

 そうそう、1度ならず2度までもあんな台詞を聞かされて、ものすごく引っかかりました。必然性もないのに、突然、そんなこと言わせるなよ、って感じ。

>結局どんな作品でも生徒の力である程度見せてしまう。

 そして、どんな作品でもファンは文句を言いつつ観に行く(^^ゞ。生徒とファンに甘えるな~!

>mymyさん

 ドラマになってない作品もあるからねぇ、最近の宝塚(^^;)。オリジナルのいい作品が少なすぎます。

 新公を観た人はみんなすみ花ちゃんを絶賛していますね。早苗さんもうまいよね。バウ遠征とはさすが娘役びいきのmymyさん。「舞姫」はなかなか面白そう……感想を楽しみにしています!

投稿: Tompei | 2007/05/12 10:49

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