『マリー・アントワネット』(東宝ミュージカル)
帝劇で上演中の『マリー・アントワネット』を一昨日、観てきました。昨年末の初演時には見逃してしまったので、今回は何としても観たいと思っていたのです。
あの『エリザベート』を作った作家クンツェと作曲家リーヴァイのコンビが遠藤周作の『王妃マリー・アントワネット』をミュージカル化すると聞いた時から、それはもう楽しみにしていただけに、公演が始まってからそれほど話題になっていないのが気がかりでした。
なるほど……確かにいまひとつ盛り上がらない。誰にも感情移入も共感もしにくくて、心を揺さぶられるような感動がない。豪華キャスト陣のそれぞれの歌声には胸を打たれたけれど、それが作品の魅力につながらないのが残念。料理人も素材もテーマも最高なのに本当にもったいない!
『エリザベート』のトートにあたるのが錬金術師カリオストロ(山口祐一郎)、ルキーニにあたるのが劇作家ボーマルシェになるんだろうけれど、このカリオストロがよくわからない。わからないけれど、山口さんが登場して歌う度に、歌声に圧倒されて納得してしまう(爆)。
マリー・アントワネット(涼風真世)と同じイニシャルを持つマルグリット・アルノー(新妻聖子)という貧しい娘が影の主役であるのは原作のとおり。新妻さんの舞台は初めて観たけれど、小柄ながらパワフルな歌声は素晴らしい。かなめちゃん(涼風)は後半の幽閉されてからがよかった。前半は演出かもしれないけれど、アントワネットのイメージと違いました。歌は男役時代の低音のほうが断然魅力的。
そのほか、オルレアン公の鈴木綜馬さんの悪役ぶりにびっくりし、さすがの歌声に感激。修道女アニエスの土居裕子さんの歌をひさしぶりに聴いて癒されました。とにかくキャストは文句なしの顔ぶれなので、だから余計「それなのに……」と言いたくなるのでした。
関連記事:
『王妃マリー・アントワネット』(遠藤周作) (2006年5月16日)
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コメント
Tompeiさんが挙げておられる役者さんだけでもわくわくどきどきする布陣ですよね~。それなのに・・です?確かにまったく評判になりませんものねえ。
最近なんだかなぁ。。っのが多い気がする(ーー;)
ガツン、とやられる作品に出会いたいですねえ・・。シシミジミ
投稿: 桜桃 | 2007/05/17 14:38
ごらんになりましたか…たしかに舞台の上にいる役者さんたちはすばらしいんですよ!
昨年11月の初演当初見ましたが、今回見たらこれでもやっとスジがつながったという感じです。ということは、舞台の上にいない人たちに問題があったとしか思えないんですよね。
投稿: yoshi | 2007/05/17 21:12
桜桃さん、yoshiさん、こんばんは。
>桜桃さん
同じ作者の『エリザベート』と、同じ時代を描いた『ベルサイユのばら』を繰り返し観ているので、点数が辛くなるのかも。トート閣下という魅力的な存在に対抗できるのはオスカルくらいしかいないような……。どうせなら『ベルサイユのばら』を原作にしたミュージカルをクンツェ&リーヴァイに作って欲しかったなぁ。おっと話が大きくずれました(^^;)。
星組もあんまり売れてないみたいね。さよならとベルばらとエリザしか盛り上がらないのって淋しすぎ。
>yoshiさん
初演時はもっとわかりにくかったんですか……。いい場面や歌もあるのに、それがうまく繋がっていないので、こちらの感情もブツ切れになってしまう気がします。
ドイツでの公演が決まったようですが、どんなふうに評価されるか興味深いですね。ドイツで生まれ変わって、凱旋帰国して欲しいです。
投稿: Tompei | 2007/05/18 00:48
映画「ルパン」のカリオストロの城ってここかたきてるんですねえ~←本題とそれててすびばせん(汗
色々観に行かれてますねえ~
私は今日もヅカ行ってきますよお(^^)
でももっともっと色んなの観たいです。
投稿: みるきい | 2007/05/18 08:18
>みるきいさん
>私は今日もヅカ行ってきますよお(^^)
おおっ、星組の初日ですか?! 初日は組長とトップのご挨拶付き、しかも今回は新コンビのお披露目なので、熱いファンが多かったのでは? 星組の新コンビは苦節ナン年の熟年(?)コンビなんですよ~。私は来週、観に行きます。
>「ルパン」のカリオストロの城
そんなタイトルがありましたね。カリオストロって悪いヤツでしたか?
投稿: Tompei | 2007/05/18 20:07
いや~
さすが「これぞヅカやがな(関西弁風)!」って感じで艶やかで目が覚めるようでした。
ただ挨拶って???
歌舞伎の襲名披露のようなのをイメージしてたんですが、最後の最後までは居なかったので(時間の関係で後半のお芝居が終わると出てしまったので)分からなかったですねえ^^;
>苦節ナン年の熟年コンビ
へ~
そうだったんですか
そゆこと前もって知ってたらもっと楽しめたでしょうね。
今回席が通路にすごく近かったので、客席に踊りこサンたちがなだれ込んでダンスを踊って、それを目の前で見たし、目が合った(?)し、もう感激で口をポッカーンと開けてました^^;
>カリオストロの城
カリオストロ国の摂政が悪い奴だったんです。
投稿: みるきい | 2007/05/19 14:23
>みるきいさん
星組も楽しめたようでよかった!(^^) 今回は客席降り(出演者が客席に降りてくること)があるんですね。通路寄りの席でラッキーでしたね~。
ご挨拶は「生の声を聴ける」から、スターをより身近に感じられるってところかしら。初日と千秋楽と一部の貸切にしか付いていないんです。
組や演目によって印象が違うでしょう? まずは5組全部を制覇してみてくださいね!
投稿: Tompei | 2007/05/20 10:26
気になりながら今回も見逃してしまった
「マリー・アントアワット」
Tompeiさんの感想で、……やはり……と。
時間を作り、お金を払って見に行く舞台で、
期待した感動が得られないと、
なんだか淋しいですね。
宝塚は下級生の成長や、
上級生の達者さで救われる部分があるから、
作品がいまいちでも、また見ようという気になるのですが……。
あ、いけない、もう星組始まったんですね。
これからチケット捜します。
投稿: mymy | 2007/05/20 12:53
>mymyさん
最近、「これぞ!」という舞台になかなか出会えません。それでもやっぱり、至福の時を求めて劇場に行ってしまいます(^^ゞ。
この記事の最初のコメントをつけてくれた桜桃さんの感想によれば、星組はなかなかよさそうですよ。観劇が楽しみです。チケットは余裕があるみたいなので(^^;)、mymyさんもぜひいらしてくださいね。
投稿: Tompei | 2007/05/20 22:56