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2008/12/26

『ラ・カージュ・オ・フォール』

 今年の観劇納めは日生劇場の『ラ・カージュ・オ・フォール』。笑って泣いて元気が出る、大好きなミュージカルです。"市村正親、最後のザザ"という触れ込みもあり、半年も前からチケットを取ってこの日を楽しみにしていました。天井席ですけど(笑)。

 いやー、もう最高! 千秋楽に近いしクリスマスだし、舞台も客席も大盛り上がり。カーテンコールでは指揮者がサンタの帽子をかぶって、曲の一部にジングルベルまで入れてくれました。

 『Mr.レディ Mr.マダム』のミュージカル版。つまりゲイクラブのお話ですが、そこの看板スター・ザザを演じる市村さんがとにかくうまい! オカマっぽい仕草がいちいち面白く、健気さが微笑ましく、心情を吐露する歌の迫力に圧倒されます。歌声に聞き惚れるというより、ダイレクトに心に響く歌。その2つの曲の歌詞がまたいい。

 ありのままの私の姿を見て
 この世界に1人だけ
 それが私
  (私は私)

 今、この時が何よりも素晴らしい
 過去は消え去り 明日の日は誰も知らない
  (今、この時)

悲しいわけじゃないのに涙が出てきて、生きてゆくパワーが湧いてくる気がします。11年ぶりに市村ザザの歌を聴けて嬉しかった!

 対する相棒・ジョルジュ役は今回、鹿賀丈史。前回までの岡田真澄さんとは持ち味が違うけれど、さすがの貫禄でこの作品をしめていました。鹿賀さんと市村さん、ご本人たちの絆が滲み出た舞台と言ったらいいか……。30年程前、同じ日生劇場でこの2人が共演した『ジーザス・クライスト・スーパースター』を思い出しました。みんな若かった!

 11年前に続いて出演の森クミさん、真島さんの存在感。今回加わったダンドン役の今井さんの記念すべき(?)女装。タータン(香寿)の若いジャクリーヌ。新進の山崎育三郎くんのジャン・ミシェル。クラブの妖しい踊り子たち、その他。いいカンパニーでした。

 これが市村ザザの見納めとは考えたくありません。またいつか会えますように!

 一足早く観劇した金木犀さんの記事にトラックバックをお送りします。

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コメント

私も先々週の土曜に観てきました。
譲って頂いたチケットで観てきたのでしたが、
まったく知識のない頭のままでいって
すごく楽しませて頂きました。
やはり一緒に行った友人も、岡田真澄で観たそうです。

市村さんのザザ、すごくかわいかったです。
いじらしくて、男装したとき(こっちがホントなのに)
「男装の麗人」に見えちゃったのが不思議でした。(笑)
でも、そのくらい女性らしかったです。

鹿賀さんとと市村さんののジーザスだったのですか?
私は山口裕一郎デビューのジーザスでした。
市村さんは全裸の「エクウス」で、遠目ながら「美しい」と
目をこらしておりました。(爆)

投稿: 陶片木 | 2008/12/27 08:21

>陶片木さん

 「ラ・カージュ…」は本当に楽しいですよね。まだ頭の中で「私は私」の音楽がまわっています。ラ・カージュ=市村さんのザザと思っているので、これが最後と言わずにまた演じて欲しいなぁ。市村さんは"美"にこだわっているのかしら?(^^ゞ

 陶片木さんも昔の四季の舞台を観ているのですね。ジーザスは鹿賀さんも山口さんも見ました(市村さんはヘロデ)。二人ともお腹のお肉が全然なくて、十字架に架かった時の姿が美しかったっけ。今は昔(--;)……それだけ年月が経ったということよね。市村さんの「エクウス」も観ましたよ。息を飲んで全裸シーンを眺めました。が、薄暗くてよく見えなかった(^^;)。

投稿: Tompei | 2008/12/27 09:59

こんばんは~
観ていらしたのですね

私が観たのはまだ前半で、それであのノリでしたから、楽近くでクリスマスならどんなにか素晴らしい舞台だったか、と思います。

本当に、作品ごとの市村さんには感嘆します。すごい方ですよね…
ええ、まだまだザザも見たいですね。

トラックバックありがとうございました。
私からも送らせていただきました。

また来年も色んなお話をさせてくださいね

投稿: 金木犀 | 2008/12/28 21:29

>金木犀さん

 コメント&トラックバックありがとうございます。

 ジャクリーヌは前回、沢たまき、その前は草笛光子。さらに前は(私は見ていないけど)、上月晃だったそうです。沢さんも草笛さんも貫禄の姉御だったので、タータンは若くて可愛く見えました(^^)。

 さーて、いよいよ初日ですね! ご報告を楽しみにしています。来年もよろしくお願いします。

投稿: Tompei | 2008/12/29 09:54

今日は初めまして。『ラ・カージュ』の東京公演、遂に終わってしまいましたね。ボクは今回の公演を2回観ることができました。1度目は13日、そして2度目は遅めのクリスマスとして28日に母と観てきました。初演以来、ズーッと観ていますが、今回のステージが一番素晴らしかった。ステージも客席も熱かった。“見てごらん”から“今、この時!”そして“見てごらん”と歌い継がれる中、そして台詞が“ゴメンね、アルバン”から“ありがとう、ママ!”へと変わっていくシーンは今回初めて涙が出そうになりました。一番大切な人と一緒に観たい作品だと思います。又いつの日にか、市村さんのザザが復活することを期待してこの作品を支え続けてきた全てのキャスト、スタッフの方々に感謝したいと思います。

投稿: 茶々丸 | 2008/12/30 16:42

>茶々丸さん

 はじめまして。ご訪問&コメントありがとうございます。

 初演からこの作品をご覧になっているということは、近藤正臣さんのザザもご存じなんですね? 私は市村さんの初演から観たので、ザザは市村さんしか考えられません。またいつか、市村さんと鹿賀さんのコンビでこのミュージカルを観たいです。『ラ・カージュ…』と言えば、「私は私」の印象が強いけれど、今回「今、この時」のよさがわかりました。

投稿: Tompei | 2008/12/30 21:51

Tompeiさん。丁寧な御返事有り難うございます。初演の近藤正臣さんのアルバンは毅然としたお母さん、に近いものでした。今回の市村さんのアルバンも近藤さんのアルバンに近いモノをかんじさせてくれたと思います。前回までの市村さんはジャン・ミッシェルを優しく包み込む包容力のある母親像に見えましたが今回は息子の幸せを願うなら自分はどんなことでもする、という毅然として強い母親に見えました。スーツを着てシビルの手紙を読んでいる市村さんの横顔からは“このことを息子がしったらどんなに悲しむことだろう”との悲しげな表情が十分に伝わり、そして今私が息子にできることは唯一つと決心して顔を上げるシーン。今回は強く印象に残りました。それは市村さんが今年は私生活の上でも親になったからかもしれませんね。今年はペテン師と詐欺師からミス・サイゴン、そしてこのラ・カージュと観てくる中に市村さん御自身が今年のテーマとして自らの人生と作品に流れる“無償の愛”を自然に演じていたからかもしれません。今も友人の結婚式でボクは“今、この時!”を拙いピアノで贈らせてもらっています。この作品をお好きな方に出会うことができて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

投稿: 茶々丸 | 2008/12/30 22:49

>茶々丸さん

 なるほど……市村さんの実体験がそんなふうに舞台に滲み出ているというわけですね。茶々丸さんの『ラ・カージュ…』への熱い思いが伝わってきました。どうもありがとうございました。

投稿: Tompei | 2008/12/31 09:03

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受信: 2008/12/28 21:19

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