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2009/01/23

『おそろし 三島屋変調百物語事始』(宮部みゆき)

おそろし 三島屋変調百物語事始
おそろし 三島屋変調百物語事始

 地元の図書館での予約待ちが200番位まで進みましたが、結局買い求めてしまいました。これの続編にあたる『三島屋変調百物語事続』が年初から読売朝刊で連載されているので、早いところ読みたくなったのです。この『…事始』を読んでなくても話が通じるようになっているけれど、どうせなら最初から読みたいと思いまして……。

 神田の袋物屋三島屋に行儀見習いの名目で預けられた主人の姪っ子「おちか」が聞き集める変わり百物語。不幸な事件に巻き込まれて心を閉ざした「おちか」が、様々な人の不思議で怖い話を聞くうちに次第に癒されていくお話です。

 この小説で語られる変わり百物語は、いわゆる物の怪や妖怪の話ではなく、人の心の闇が映し出した話。一番怖いのは人の心というところでしょうか。となれば、人物の心情描写が巧い宮部さんの筆が冴え、心地よく宮部ワールドにひたれます。

 がしかし、5話のうち最終話で風向きが変わり、大団円に向かって強引な展開になるのが惜しまれます。何だか『ブレイブストーリー』を思い出す……声高に教訓を掲げるファンタジー。私はどうもこれが苦手です。

 新聞連載の『…事続』では百物語の第6話が始まっていて、こちらはまた今後の展開が楽しみです。ただ、毎日少しずつという読み方には慣れてないため、まどろっこしくてたまりません。

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コメント

今、夕刊が伊坂幸太郎、朝刊が宮部みゆきでかなり嬉しい新聞小説です!

先日「ひぐらし」を読んで、今「ぼんくら」を読んでいますが…
それなりに、続編読んでも大丈夫なので、私は100人待とうかと…あれ?80人位に減ってたかな?

投稿: ゆれい | 2009/01/23 22:56

先ほど確かめたら380番台でした
文庫出るほうがきっと早いと思う・・。

で、私は新聞小説も週刊誌の小説も読み忘れて処分してしまってから後悔するのであった・・。
以前、図書館でまとめ読みってのにトライしたことがあるけど、それも挫折したし。

楽しみは後に取っておきますね^^
そうそう孤宿の人がそろそろ手元に届きそうです。

投稿: 桜桃 | 2009/01/23 23:11

お久し振りです!!
まだPCを買い換えていないのですが、最近は順調なので・・・

今、まさにコレ読んでますよ~~(*゜v゚*)
当地では図書館に予約して、4ヶ月で借りられました。
ちょっとコワイけど、面白いですよね~

でも5話はこれから読むんです。
・・・楽しみです。

投稿: Leaf | 2009/01/24 10:50

ゆれいさん、桜桃さん、Leafさん、こんにちは。
レスが遅くなってごめんなさい。

>ゆれいさん

 実は私、新聞小説や週刊誌の小説はほとんど読み切ったことがないので、『…事続』も最後まで読めるかわかりません(^^;)。ブツ切れだと集中できないから、「本が出てから読めばいい」と思っちゃうの。夕刊の伊坂幸太郎のも面白い? 気にはなっているんだけど読んでいません。

>桜桃さん

 昨日はお疲れ様! ご縁があって、お貸しできてよかったです。どうぞゆっくりお楽しみください。

 あ、桜桃さんも新聞小説の形式はダメですか? 最初は切り抜いてみたりもしたんだけど、長続きしませんね……。やっぱり小説は本に限る!

>Leafさん

 おひさしぶり! 最近はブログの更新が頻繁なので、「ついに新しいPCを買ったのね」と思っていましたよ(^^ゞ。あいかわらず旬の本をたくさん読んでいて感心しています。予約を入れるのが早いのかな? 感想を楽しみにしています。

 昨日のオフではお会いできず残念。次回はぜひご一緒に!
 

投稿: Tompei | 2009/01/25 10:19

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