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2009/03/31

第14回お江戸オフ《新宿・四谷》その3 お岩さんの謎

 (こちらの続き)

 内藤新宿を後にした一行が向かった先は、於岩稲荷田宮神社。東海道四谷怪談のお岩さんゆかりの神社です。ところが、この於岩稲荷の斜向かいにある陽運寺にも於岩稲荷があるから、話はややこしい。一体どうなっているの?!

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田宮神社と陽運寺

 さっそくググってみたら、とあるブログにたどり着きました。田宮神社と陽運寺の謎をさぐろうと、双方に電話取材(?)なさった行動的な方の記事です。実に興味深い! そして面白い! どうやら、お寺のほうがインチキ……らしいです。

 ところで、この於岩稲荷、てっきりお岩さんの霊を慰めるためのお稲荷さんかとばかり思っていたら、全然違いました。そもそも、四谷怪談は鶴屋南北作の歌舞伎狂言、あくまでもフィクションですからね。お岩さんの祟りなんてあるはずない……たぶん。

 田宮神社でいただいてきた由緒書によれば――江戸初期、四谷左門町に住む働き者のお岩さんが屋敷社(かみ)を信仰したおかげで一家の暮らしが豊かになったため、近所の人々がそれにあやかろうと「お岩稲荷」と呼んで信仰するようになったそうな。さらに、約200年後、このお岩人気にあやかろうとして、鶴屋南北がお岩という名前を使って歌舞伎を書いたらしく……。その際、名前だけ借りて、大衆受けを狙ってどぎつい脚色を加えたということですが……。

 一方では、四谷怪談は真実に基づいた話とも言われているようです。『四谷実録集』という書物に記録が残っているとか……はたして真相はいかに? Wikipediaに「四谷怪談の元になった実話については、東京四谷のお岩稲荷に1827年に記録された文書が残されている」と書いてあるけれど、このお岩稲荷って、もしや陽運寺のこと? ということは……?

 ただ、鶴屋南北がお岩という名前だけじゃなくて、田宮という名字も父や夫の名前までそのまま使って怪談を書いたのがどうも解せないんですよ。『東海道四谷怪談』と東海道をつければ(四谷は本来、甲州街道)、パロディになるってものじゃない気がするんですが……。

 あー、今日はお岩さんの話だけで終わってしまった! もう1回書かないとオフの記事をしめられない(汗)。

続く

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2009/03/30

第14回お江戸オフ《新宿・四谷》その2 内藤新宿

こちらの続き)

 今回のコースは下記のとおり。

丸の内線「新宿御苑前」集合→太宗寺(江戸の三閻魔、六地蔵)→新宿御苑→四谷大木戸跡、玉川上水記念碑→多武峯内藤神社→田宮神社(お岩稲荷)・陽運寺→戒行寺(鬼平の菩提寺)→西念寺(服部半蔵の菩提寺)→愛染院(内藤新宿の生みの親・高松喜六、塙保己一の墓)→四谷→外濠公園→市ヶ谷「土風炉」

 いつも乗換えで新宿駅を利用しているのに、新宿の成り立ちをわかっていませんでした。ちょっと勉強しながら、訪ねた場所と結びつけてみます。自分のための備忘録なので、興味のない方はスルーしてくださいませ。

Photo 新宿という地名は江戸時代の「内藤新宿」に由来しています。内藤家の土地にできた甲州道中(街道)のしい宿駅だから、内藤新宿。以下、年代を追ってみます。画像は広重の名所江戸百景『四ツ谷内藤新宿』(ぶんぶんさんの記事より拝借)。

 内藤家とこの地との繋がりは、江戸時代以前の天正年間に、徳川家康が譜代の家臣・内藤清成に広大な土地を与えたことに始まります。家康は気前よく「馬が一息に回れるだけの土地を与えよう」と言ったそうな。清成を乗せた馬は延々と走り回り、疲れ果てて死んでしまったらしい……そんな伝説の馬の石碑が多武峯内藤神社にあります。要は、それ程広い土地を清成は拝領したということですね。

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多武峯内藤神社と駿馬塚

 その拝領地の一部が内藤家(後に高遠藩主)の下屋敷(中屋敷という説もあり)になり、明治維新まで使用されました。その跡地が新宿御苑で、現在も内藤町という地名にあります。太宗寺は内藤家の菩提寺、多武峯内藤神社は内藤家が屋敷内に勧請した神社です。

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太宗寺の地蔵菩薩と閻魔大王

 1603年に江戸幕府が始まり、甲州道中は五街道の一つとして整備されます。1615年には四谷大木戸が設けられ、江戸への出入り口として機能しました。大木戸の外はもう江戸ではなかったのです。当初は木戸があり、夜になると閉められましたが、江戸後期には撤去されました。

 1653年、玉川上水が完成。翌年、大木戸横に玉川上水の水番所ができ、ここで水量を調節して、この先は地中樋で江戸市内に配水されました。玉川上水開削の由来を記した記念碑が大木戸跡碑と並んで建っています(水道局新宿出張所前)。

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四谷大木戸跡碑と水道碑記

 その後1699年、四谷大木戸付近に新しい宿駅が開設されました。それまで甲州道中の最初の宿駅は高井戸でしたが、日本橋から4里もあり不便なため、浅草の名主・高松喜六が幕府に願い出て開設を許可されたのです。新しい宿駅は、内藤家から返上された拝領地に造られたので、内藤新宿と呼ばれました。

 四谷大木戸(現・四谷四丁目交差点)から追分(現・新宿三丁目交差点、甲州街道と青梅街道の分岐点)までの1km程に旅籠や茶屋が並び、内藤新宿は宿場町として賑わいました。他の四宿(品川、板橋、千住)と同様、飯盛女(遊女)が大勢いて岡場所としても繁盛したそうです。

 なんか無理のあるまとめ方だけど、ま、これでよしとしよう。あと1回続く予定。

続く

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2009/03/29

第14回お江戸オフ《新宿・四谷》その1 新宿御苑

 この季節はやっぱりお花見オフ。新宿御苑でお花見をした後、神社仏閣を回りながら四谷に出て、外濠公園の桜並木を市ヶ谷まで歩いて宴会――さらに余力があれば、靖国神社と千鳥が淵の夜桜を愛でる、という欲張りな計画を立てました。がしかし、桜はまだ1~2分咲きだった……残念! 21日に開花宣言が出て、「よーし、この分だと28日は見頃」と期待していたのに、その後の冷え込みで桜は咲きしぶっているのです。この日も肌寒く、ダウンを着こむ始末でした。

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 この写真は、新宿御苑で咲いている桜を選んで撮影したもの。こうして並べると十分きれいですが、お花見としてはまだまだ物足りない状態です。それにもかかわらず、かなりのお花見客で賑わっていて、それぞれの宴は盛り上がっていました。私たち一行も芝生で円陣を囲み、「花より団子」を満喫。持ち寄ったお菓子を食べながらまったりくつろぎました。この後の散策、宴会を考慮して、ここではアルコールなし。

 そこへ、ご旅行中の札幌のyoshiさんご一家が合流。今回のオフのメインイベントでもあります。ブログの友の輪が広がって嬉しいかぎり。入手困難な北海道土産両巨頭、花畑牧場の生キャラメルとじゃがポックルをいただいて感謝感激……ありがとうございました。yoshiさんたちには東京の満開の桜を見ていただきたかったなぁ! お江戸オフならぬお蝦夷オフでの再会を約束して別れました。

 長くなりそうなので、散策の記録は次の記事へ。ついでながら、一昨年3月末の新宿御苑の桜の写真をアップしておきます。こういう桜を見る予定だったのだ。

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続く


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2009/03/19

ハワイアンキルト

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 5年以上の中断を経て、何とか完成させました。押入れを掃除していたら、完成間近なのに投げ出したハワイアンキルトが出てきたのです。ペアのランチョンマットの1枚は完成、残る1枚もあと5%程で完成という状態(何でここでやめるかね?)。これだけは完成させなくちゃと思って、突然やり始めました。ラインは等間隔じゃないし、縫い目は雑巾のようだし、2枚の大きさは微妙に違うけれど、仕上がったらやっぱり嬉しくて、恥ずかしながら公開します。

 このブログを始める前、一時、ハワイアンキルトに凝っていました。せいぜい1年くらいですけど。ハワイの植物をモチーフにした2色使いのシンプルな柄が気に入ったのと、とにかくハワイが大好きなのでハワイモードにひたれるのが嬉しかったのです。いつかベッドカバーのような大作を作りたい、とあこがれたのも束の間、あえなく断念。想像以上に時間も労力もかかって、あれもやりたいこれもやりたい移り気な私には向いてないようでした。

 こうして何事も極めずに中途半端に終わる私……何なんでしょうね、この性格。何か一つのことに打ち込んでいる人を尊敬します。

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2009/03/17

侍ジャパン

 昨日の侍ジャパンの快勝は痛快でしたね。明日の韓国戦が楽しみ……ぜひ前の試合の雪辱を果たして欲しいです。韓国とはこの先、最高3試合を戦うことになるので、韓国戦の勝敗は大きな鍵。決勝戦でも対戦できたらいいなぁ。

 それにしても――実況アナの「侍ジャパン」の連呼には辟易します。「日本(チーム)」と言えばいいのに、いちいち「侍ジャパン」と言うのは業務命令なんでしょうか? 耳障りもいいところ。真剣勝負の国際試合の中継で愛称を使うのはおかしくありませんか? 番組を盛り上げようとしているのだとしたら、かえって逆効果。充実したいい試合は、淡々とした実況ほど興奮が伝わると思います。

 それに、この○○ジャパンという呼び方もだんだん鼻に付いてきました。トルシエジャパン、長嶋ジャパンあたりまでは新鮮に感じられましたが、岡田ジャパン、王ジャパン、星野ジャパン、なでしこジャパン……もう食傷気味です。マスコミにとって便利だし、応援する時に使いやすいのは確かですけど。この記事の書き出しだって、「昨日のWBCの日本チームの快勝」と書かずに済むわけだし……。

 気になり始めるとますます気になってしまいますが、今後の試合では、こんなことなど忘れさせてくれるような熱戦を期待したいと思います。頑張れ、侍ジャパン!(笑)

追記(3月24日):
 侍ジャパン、ついにやってくれました! 優勝V2おめでとう!!! 今日の決勝戦は観ているだけで胃が痛くなるようなシンドイ接戦でした。それだけに余計に嬉しいです。野球の面白さを存分に満喫できた3週間でした。

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2009/03/13

砂糖を控える

 こうして、花粉症の悪化を防ぐために甘いものを控えようと決心した私。ついでに砂糖についてちょっとお勉強をしました。まずは敵を知っておかないとね。

 近年、砂糖の害がクローズアップされて、砂糖は諸悪の根源のように言われていますが、ネット上にも砂糖の害を指摘するサイトが多数あります。肥満や糖尿病の原因。カルシウム欠乏による性格への影響。虫歯の原因。胃腸、心臓、血液、視力、皮膚、アレルギー、関節、筋肉など、あらゆる器官への影響。がんとの関連。こういう害が予想されるのに、過剰摂取の傾向にあることが一番の問題のようです。

 大人の1日の砂糖摂取許容量は50gまで、理想的には20~30g。食事だけならこの範囲におさまるけれど、おやつに甘いものを食べるとあっという間にオーバーしてしまいます。とくに、市販のドリンク類は思いのほか含有量が多いので注意が必要。以下はドリンク、お菓子のおおよその砂糖含有量です。

 スポーツ飲料(500ml)  20~30g
 コーラ(500ml)       50g
 缶ジュース         20~30g
 缶コーヒー         15~20g
 乳酸菌飲料        10~15g
 梅酒(1合)        20~25g
 おしるこ          40g
 ようかん          30g
 大福            10g
 ケーキ           25~30g
 プリン            20g
 アイスクリーム      25~30g
 ドーナツ          10~20g
 板チョコ           20g
 ガム、あめ        重さの80%

 食事で10~20gは摂っているから、あとはドリンク1本か、ケーキ1個が限度ということですね。それも毎日は続けないほうがよさそう。神経質に砂糖を排除するつもりはないけれど、目安を知っておけば減糖を意識できますよね。今までは無自覚のうちに100g超えの日も少なくなかったと思われ……(大汗)。砂糖は心を癒す嗜好品と思うことにします。

 そうそう、白砂糖はダメだけど黒砂糖ならOKとはいかないようです。多少はミネラルが多いけれど、砂糖には変わりありません。お料理に使うなら、てんさい糖がよさそうなので、今度使ってみます。みりんもいいですね。

 それから、コーラゼロやパルスィートは確かに糖分ゼロですが、甘味成分の人工甘味料アスパルテームは100%安全とは言い切れないらしい。人工甘味料の強い甘味に慣れることも望ましくないそうです。要は各消費者がどちらを選ぶかということかと思います。

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2009/03/10

花粉症悪化の誘因は

 花粉症仲間の皆さん、調子はいかがですか? 今日も花粉が飛びまくっているようす……今週あたりがピークでしょうか。

 今シーズンは2月半ば、まだ体も心も準備しないうちに大飛散があり、いきなりひどい症状で始まりました。慌てて耳鼻科に駆け込み、現在はジルテックのジェネリック「サワイ」とマスクで何とかしのいでいます。いったん症状が出た後は鼻の粘膜が過敏になって、ちょっとした刺激にも反応してしまうのが困りもの。繊細な"お鼻さま"の機嫌を損ねないようにびくびく暮らす日々です。

 花粉が直接的な原因であることは間違いないけれど、症状が悪化するのは花粉のせいだけではないのが厄介です。体が冷えると悪化するし、鼻を強くかんで刺激するとさらに悪化するし……皆さんはそんなことありませんか? それから、最近、もう一つ花粉症悪化の容疑者が見つかりました。甘いお菓子です。

 自分でも笑うしかありませんが――先週、かりんとうの大食いをした後、ひどい症状が出て、終日雨が降った金曜日もそれが続きました。美味しいかりんとうのせいにはしたくないけれど、あまりにもタイミングがぴったりなので、そう思わざるを得ないんですよ。糖分(+油)がアレルギーの誘因になったことは十分考えられます。

 「花粉症 甘いもの(砂糖)」を検索すると、砂糖が花粉症に悪影響を及ぼす話がどんどん出てきます。そもそも、砂糖は免疫力を下げるので、花粉症に限らず、控えるに越したことないようです。甘いものに目がない私としてはつらいところですが、せめて花粉の時期は控えるしかなさそう(泣)。花粉症の悪化もつらいので仕方ありませんね。

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2009/03/07

『仮想儀礼』(篠田節子)

仮想儀礼〈上〉
仮想儀礼〈上〉

 田辺聖子さんの宇治十帖を読んでいる最中に図書館から予約本用意のお知らせがあり、「雅やかな世界の恋模様に心ときめかせているのに、新興宗教の話なんてタイミング悪すぎ」と思いつつ、分厚い単行本上下2冊を借りてきました。読み通す気力はないまま、せめて最初の部分くらい目を通そうと思って本を開いたら……結局、最後まで読んでしまいました。

 篠田さんの小説はひさしぶり。篠田節子の代表作と言えば『女たちのジハード』ということになりそうですが、私は『聖域』『弥勒』『ゴサインタン』あたりの作品が好きなので、書評を読んでこの『仮想儀礼』にも興味を持った次第。仕事を失くして食うに困った2人の男が新興宗教を立ち上げる話です。

 あらすじは――正彦(教祖)と矢口がお金儲けのために始めた聖泉真法会のもとに次第に信者が集まってくる。まずは、「生きづらい」系の若者たちと、悩みを抱えてご利益を求める主婦たち。やがて、資金や土地、建物を提供する企業や財産家が現れて、聖泉真法会は大きく発展する。ところが、既成の大教団や政治家にも繋がる脱税事件に巻き込まれて破綻し、信者も一斉に離れる。再び振り出しに戻った聖泉真法会には女性信者数名が残り、正彦や矢口と集団生活を続けるうちにいつしかカルト化していく。

 聖泉真法会が発展していく過程が描かれる上巻はテンポよく進みますが、破綻後の集団生活からラストに至る展開はかなり重たくしんどいです。でも、著者が書きたかったのは後半のほうではないでしょうか。実体のないまやかしの神が女性信者の中で実体化していき、教祖も意図していない怪しげな宗教に変貌し、制御できなくなっていく過程は不気味で恐ろしい。世間を騒がせたいくつかのカルト教団が脳裏に浮かび、「こういう側面もあったのかも……」と思えるほど、リアルで説得力がありました。

 「神を必要とする者が心の内に神を作り上げていく」(本文から引用)ことが信仰というものなのでしょうか。人の心や宗教について深く考えさせられ、「読まずに返却しないでよかった」と思いました。

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2009/03/05

西東京「旭」のかりん糖

200903041049000 美味しいかりんとうをいただいたので、ご紹介します。5種類の詰め合わせのうち、記事にしようと思い立った時にはすでに1種類と少々しか残っていませんでしたが、とりあえず写真撮影。西東京市(旧田無市+保谷市)にある旭製菓のかりんとうです。

 「かりんとうの詰め合わせ? 油っこいし甘いし……」と最初はあまり嬉しくなかったのですが(いただきものに文句を言ってすみません)、食べ始めたらやたらに後を引くんですよ。食べる分だけ器に出して袋を輪ゴムで止めても、すぐに食べ終わってまた袋を開けてしまう……この繰り返し。ほとんど私一人で食べております(カロリー過多必至)。

 蕎麦 シナモン、きんぴらごぼう、チョコ、胡麻……バラエティに富んでいるうえ、それぞれが凝っています。蕎麦は蕎麦粉入りの生地のうす塩味。シナモンはちょっと太目のシナモンまぶし。きんぴらごぼうはごぼうを練りこんだ生地のピリ辛味。チョコは真ん中にチョコがはいった洋菓子風(写真右下の個別包装のもの)。胡麻は胡麻入りで甘みと塩味が絶妙。

 旭製菓のサイトを訪ねてみたら、大正13年創業以来、天然素材にこだわり昔ながらの樽仕込みで生地を発酵させている、かりんとうの名店でした。味が20種類くらいあるので、いろいろ試してみたくなります。ネット注文もできるけれど、お店に出かけてみたいな。

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2009/03/02

『おくりびと』

 アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』を遅ればせながら観てきました。受賞後のお祭り騒ぎに刺激されて、これは観ておかなければと思ったのです。上映している映画館が限られている上、1000円均一のサービスデーでもあり、どの回も満席の盛況ぶりでした。

 実は私、こうして直接的に人の死をテーマにした映画はどうも苦手で、あえてお金を出して観に行こうと思わないたちです。身につまされるのが嫌だし、死を遠ざけておきたいという深層心理が働いているからなのでしょうが……。そんな私も、ほっとする笑いに緊張感を解きほぐされつつ、この映画を楽しめました。深刻になりすぎず、かと言って、笑いに偏らず、死を温かく柔らかい眼差しで見つめ描いている点がよかったです。

 茶道にも通じるような納棺師の美しい所作には目を瞠り、厳粛な気持ちになりました。演じる本木雅弘さん、山崎努さんの巧いこと……所作も演技も素晴らしい! この日本ならではの儀式が外国人の心を捉えたのでしょうね。納棺も含めて、お葬式という儀式は死者を弔うためのものであると同時に、残された遺族やまわりの人の心を癒すためのものであることを改めて感じました。

 「死は門だ」――火葬場の職員(笹野高史さん)の言葉が印象的です。誕生という門からこの世にやって来たものはみんな、やがて死という門を通らなければならないわけですね。その門がどの辺にあるのかわかりませんが、そこを通り抜ける日までこの世の生活を味わい尽くさなくては……。この世で縁のあった人とはいつかまた門の向こうで会えると思うと、少し気持ちが楽になります。

 同じくこの週末、『おくりびと』をご覧になった惑さんの記事にトラックバックをお送りします。

おくりびと [DVD]
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