井の頭池と弁財天
(こちらの続き)
都内有数のお花見の名所である井の頭公園ですが、ここも江戸のウンチクには欠かせないポイントの1つです。
公園の中央にある井の頭池は古来、湧水が豊かで、周辺から縄文時代の遺跡も発見されています。江戸時代の初めには徳川家康がこの池に目をつけ、ここを水源にして神田上水を整備し、江戸の飲料水を確保しました。
現在は宅地化によって湧水は枯れてしまい、地下水をポンプで汲み上げているそうですが、今も神田川はこの池から流れています。源流地点には「ここが神田川の源流です」と書かれた立て札があります。ここから始まる神田川は、関口を通り、御茶ノ水を通り、両国橋付近で隅田川に注ぎます。お江戸オフで場所を変えて何度も見ているわけですね。
井の頭池の端には井の頭弁財天があります。源頼朝や新田義貞も祈願したと言い伝えられる古い弁天堂で、神田上水整備の際には徳川家康も訪れたとされています。3代将軍家光によって宮社が再建され、その後、江戸の庶民の信仰を集め、行楽地として賑わいました。「井の頭」と命名したのも家光とされ、家光が「井の頭」と小刀で刻んだ辛夷の木(枯れてしまった)の場所に石碑があるそうですが……見逃しました。現在の社殿は昭和初期に建てられたものですが、石灯籠や狛犬は江戸時代のものです。
この井の頭弁財天は広重の「名所江戸百景」でも取り上げられています。湧水をなみなみと湛えた池周辺にのどかな風景が広がり、家光が鷹狩りにやって来たという話もうなずけます。池の西側の「御殿山」という地名は鷹狩り用の御殿があったことに由来しています。
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コメント
井の頭公園が神田川の水源、というのは知っていましたが、もう枯れていたんですね〜
ずいぶん昔、この池でボ−トに乗ったカップルは別れる、なんて噂があった事を、思い出しました
遅くなってしまいましたが、ブログ5周年、おめでとうございます!
これからも楽しく読ませて頂きますね。
投稿: Leaf | 2009/04/04 21:30
井の頭公園へは何度か行っているけれど、桜の季節はいまだ一度も行ったことがないので、こちらで満開の写真を見せていただいて訪れた気分になりました。
>源流地点には「ここが神田川の源流です」と書かれた立て札があります
そうそう、私もその立て札を発見したときはへぇ~なんて驚きました。
江戸歩きするようになってから、今までは素通りしていた所にも関心を持つようになって嬉しいです。
でも井の頭弁財天はお参りしてないんですよね~(汗)
由緒あるんですね。次回はちゃんとお参りしてこよう!
投稿: ぶんぶん | 2009/04/05 17:36
Leafさん、ぶんぶんさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
>Leafさん
実は私も、いまだに湧水があると思っていました。池の水質汚染が深刻で、浄水装置を入れているようですよ。
>この池でボートに乗ったカップルは別れる
そうそう、ありましたよね、その噂。wikipediaによると、弁財天が仲のよいカップルに嫉妬するとか……だから、弁財天にお参りすると大丈夫とか……都市伝説って、面白いですね。
>ぶんぶんさん
池の周りの桜は圧巻ですけど、人出もすごいです。行くなら平日に限ります。今日は義父母を神代植物公園に連れて行ったのですが、こちらは週末でもバカ混みしていなくておすすめ。深大寺周辺や近くの野川もきれいなので、いつかいらしてください。ご案内します(^^)。
興味を持つと、見るものが違って見えますよね。東京再発見という感じで嬉しいかぎりです。
投稿: Tompei | 2009/04/05 22:46