「阿修羅展」
ブロガー仲間が相次いで出かけて絶賛しているので、「これは見ておかなければ!」と先週金曜日に行ってきました。少しでも空いていそうな時間を狙って4時頃着きましたが、甘かった……40分程待ちました。金曜日は8時閉館なのでゆっくり鑑賞して、6時半頃出てきたら、まだ30分待ち。会期も残り少なくなってきたので、この先はさらに混み合いそうですね。
そもそも、阿修羅像は教科書か何かで見たことはあるものの、興福寺に安置されていることさえ失念していました。興福寺は小学校低学年の時に行ったはずですが、当然覚えていません。うっすら覚えているのは大仏様と鹿だけ。今回、会場でまず興福寺の歴史を知って、俄然興味が高まりました。
興福寺は飛鳥時代に藤原鎌足の妻、鏡王女が創建した山階寺を710年の平城遷都の際、藤原不比等が現在地に移転し命名したお寺です(この展覧会は創建1300年を記念して開催)。国宝の阿修羅像は不比等の娘・光明皇后(聖武天皇のお后)が母・橘三千代の一周忌供養の菩提を弔うために造像したもの。
この時代は何回か宝塚歌劇の舞台になっているので、馴染みがあるのです(笑)。上記の人名を聞くと、いろいろな顔が浮かび、主題歌まで聞こえてくるわけで……。そういう伝説のような時代の仏像を目の当たりにして、とても興奮を覚えました。
阿修羅像は高さ153センチと意外に小さめ。そのせいか、少しでも近づいて見ようとする人がまわりを取り囲み、押し合いへし合いの大騒ぎでした。しかも、「止まらずに歩いてください」というスピーカーからの声がひっきりなしに聞こえ、静かに向き合うことなどできません。それでも、ライトに照らされた阿修羅像はひときわ美しく、どの角度からのお姿にも見とれてしまうのでした。
光明皇后が造像した八部衆像(阿修羅像はこの一つ)と十大弟子像のうち、興福寺に14体伝存していて、現在は11体が展示中(前期には全て展示)。興福寺は何度も火災に遭いながら、そのたびに仏像を運び出して守り、現在まで伝えているそうで、中には破損しているものもありました。この先も末永く伝えていって欲しいものです。
昨年の薬師寺展の時も思ったけれど、やっぱり故郷の奈良で仏像たちと再会したくなりますね。私も仏像に惹かれるお年頃になったようです。そうそう、黒木瞳の音声ガイド、思ったよりよかったです。
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コメント
行かれたんですね~^^
それにしても、4時でそんなに混んでましたかぁ。もう一度行きたいと思ってたんだけど、無理かなぁ。
>上記の人名を聞くと、いろいろな顔が浮かび、主題歌まで聞こえてくるわけで……。そういう伝説のような時代の仏像を目の当たりにして、とても興奮を覚えました。
興奮するとこ違うから(笑)
私なんて住んでたのに、知らなかったんですよ~。毎日通学してたにもかかわらず...
>仏像に惹かれるお年頃になった
あらゆることに興味尽きませんよね~
これからも、どんなものに惹かれるようになるかワクワクします。年を重ねるって悪くないですね^^
投稿: 桜桃 | 2009/05/26 14:57
阿修羅、まだ混んでいるのですね。
立体の方が、より存在感があって
熱く伝わってくる感じがします。
私も中学の修学旅行でいったはずなのに
すっかり忘れておりました。(^^;;;
もっとじっくり観たかったのだけど
連日あの混雑では、無理ですね。
とはいえ、360度ぐるりと観られる鑑賞は
すごく良かったです。
投稿: 陶片木 | 2009/05/26 19:38
おお、行かれたのですね。
平日でもそんなに混んでいるのですか
私が阿修羅像の周りを回っていた時は(笑)隣に整理係のお兄さんが力づくで回っていて(爆)「止まらないで進んでください」って横でずっと言っててうるさかったです
黒木瞳の声、私はちょっとダメだったかも…
なんというか、声質にちょっと癖があるからかしら?
会期中に再び、はもう無理そうだから、いつかまた、興福寺でゆっくり見ることにしようかな~
ということで、後ほどトラックバック送らせていただきます。
投稿: 金木犀 | 2009/05/26 22:11
後期の方が混雑するのでしょうか?
早めに行っておいて良かったです。
阿修羅はきれいでしたが、私は八部衆が感動でした!
興福寺は行った記憶がないんですが…一度ゆっくり行ってみたいな~>奈良
投稿: ゆれい | 2009/05/27 08:40
桜桃さん、陶片木さん、ゆれいさん、金木犀さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
>桜桃さん
ツッコミありがとうございます(^^;)。私のささやかな歴史の知識はほとんどアソコで得た気がします。
それにしても、ああいうお寺の近くで学んでいたなんてうらやましい! 1300年の歴史の前には江戸っ子なんて吹けば飛ぶような薄っぺらさよ。
>陶片木さん
そう、興福寺に戻ったら、後姿は拝観できないものね。ライトが当たってはっきり見えたし、行ってよかったです。
奈良も京都も子供の時に行ってもよさがわからなくて、もったいないですね。大人こそ修学旅行があればいいのに(^^ゞ。
>金木犀さん
TBありがとうございます。「金木犀さんのお気に入りの角度はどこだっけ?」と思いながら観ました(^^)。
そのお兄さん、ご活躍でした(--;)。待ち時間はともかく、もっと静かに観たいと思いました。
黒木瞳じゃなくて、別のOGか現役プリーズ!(^^ゞ
>ゆれいさん
こういう展覧会は早めに行ったほうがいいですね。今度からできるだけそうしよう。
阿修羅が八部衆の1人とはびっくりです。他の7人とは全然違うお姿なんだもの。新しいお堂が落成したら、行ったみたいなぁ。
投稿: Tompei | 2009/05/27 11:06
阿修羅像は要は張り子の構造で軽いので火事になってもすぐ運び出せたから今まで伝えられたとか、逆に輸送の振動には弱くて奈良から運んだプロがいたり、絶妙のライティングで美しく見せる展示のプロがいたり、裏方の仕事もなかなかなのですが、見たかったですねぇ。奈良を越えて九州にいくくらいなら北にきてくれても良かったのになぁ。
戻る間際に見た薬師寺日光月光像も本当に良かった・・。奈良はちょっと憧れですよね。本当に修学旅行っきりです。
投稿: 惑 | 2009/05/28 01:06
>惑さん
さすが、よくご存知で(^^)。阿修羅像は確か15キロ位で一人で抱きかかえられる重さなんですよね。胸から上と腕の部分しか残っていない八部衆もいて、火事の際の混乱ぶりが伝わってくるようでした。どんなふうに梱包をして輸送するのか、見てみたいです。ライティングは美しく、しかもダメージを与えないように工夫されているのでしょうね。
この先は人生の修学旅行にたくさん出かけたいものですね。ちなみに、私も阿修羅さまを追うように福岡入りするので、北行きはまだお預けです(^^ゞ。
投稿: Tompei | 2009/05/28 08:19
夕方でも混んでいるということで、13時すぎに行ってみたんですが、やはり混んでいました^^;
私は阿修羅も良かったけど、四天王の迫力にも感動しました。
またいい具合に影が後ろに映っていて、影だけでも綺麗でうっとり・・・
TBさせていただきました。
投稿: ぶんぶん | 2009/05/29 20:55
>ぶんぶんさん
TBありがとうございます。こちらからも送らせていただきますね。
閉幕が近づいているので、ますます混んでいるんでしょうね。
そうそう、四天王や薬王菩薩、薬上菩薩の像もよかったですね。仏像の世界も奥が深そうで興味津々です。興味や好奇心の対象があっちこっち移って、自分でも疲れます(^^;)。
投稿: Tompei | 2009/05/30 13:27
すごい人気ぶりと混雑をTVで見ていました。
ファンクラブまでできたとは、驚きです。
阿修羅像は美しいですし、どこか人間的な魅力を感じますよね~
後ろ側のお顔は、子供の頃からずーっと気になっています。
直に対面された皆さんが羨ましいです。
北海道にも是非お越し頂きたい。
投稿: yoshi | 2009/06/07 20:02
>yoshiさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうそう、ファンクラブもあるんですよね。1300年前の仏像にファンクラブというのも面白いです。
人波に揉まれながらでしたけど、阿修羅像を見られてよかったです。6年後に中金堂が復興されるそうなので、新しいお堂に安置された阿修羅像と再会できたらいいなぁ。yoshiさんもいつか側面のお顔とご対面できますように!
投稿: Tompei | 2009/06/08 08:26