『源氏物語 第一巻 桐壺~賢木』(大塚ひかり訳)
宝塚の舞台から始まったマイブーム「源氏物語」は細々続いています。田辺聖子さんの『新源氏物語』、宇治十帖『霧ふかき宇治の恋』に続いて、講演録の『源氏がたり』を読み終わって、いよいよ全訳にチャレンジしています。
何故、大塚さんの訳から読み始めたか――。書店で初めてこの本を手に取った時は冒頭を読んだだけですぐ戻しましたが……。「いずれのミカドの御代でしたか」――この「ミカド」でいきなり拒絶反応。源氏物語の訳にカタカナを使うなんてとんでもない!と思いました。
ところがその後、同じ著者の『もっと知りたい源氏物語』を図書館から借りてきて読んだら、これがとても面白かったのです。「光源氏のセックス年表」「薫と匂宮のセックス(レス)年表」「光源氏が寝た女たちの顔と体格」一覧表など、源氏物語解説書らしからぬ切り口が新鮮で、しかもあらゆる角度から微に入り細に入り考察されていて、知的好奇心ならぬ野次馬根性がおおいに刺激されました。
とは言え、全訳に登場する「セックス、エロい、スケベ、超ラッキー、ラブラブ」などの言葉には引いてしまうのが正直なところ。その違和感を補って余りあるのは、<ひかりナビ>と称する著者の解説です。2~3ページごとにかなり詳しい解説があり、初心者も源氏物語を理解し楽しめるように工夫されています。また、各章に人物相関図がついているのもわかりやすい。源氏物語全訳入門にもってこい、とくに若い世代向きの訳書と言えそうです。
これを全巻読了できたら、瀬戸内寂聴さんの訳も読んでみたい。そこまで興味が続いたらの話ですが……。まだ全体の1/6なので、道は遠いです。
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コメント
この方の源氏物語解読書は読んだことがないです。
古典も下ネタを交えてだと、案外すっと頭に入るんですよね~^^;;
ミカドには私もひくわ~(笑)
投稿: ぶんぶん | 2009/07/10 08:00
>古典も下ネタを交えてだと、案外すっと頭に入るんですよね~^^;;
おお!大胆発言
源氏は大和さんの漫画がわかりやすかったです(汗)
投稿: ゆれい | 2009/07/10 08:27
ぶんぶんさん、ゆれいさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
>ぶんぶんさん
>古典も下ネタを交えてだと、案外すっと頭に入るんですよね~
それを狙っているのかな?! 意図してカタカナ語や今風の言葉を使っていると思うけれど、周囲から浮いている気がしちゃいます。「超ラッキー」って言う光源氏、ヤだ!
>ゆれいさん
『あさきゆめみし』はちゃんと読んでいないんですよ。舞台化された宝塚の作品は観ましたけど。頭中将が金髪なのよね。
いろいろな訳本、漫画、映画、舞台になっていて、さすが日本を代表する古典ですね。
投稿: Tompei | 2009/07/10 10:15
なにやら品格あふれる葉桜日記には珍しく過激な言葉が飛び交う記事・・
「光源氏 セックス スケベ」とgoogleに入れるとこの記事が先頭に出てきます。それはともかく、1000年前にかかれた小説が今尚魅力あるんですからすごいですよねぇ
投稿: 惑 | 2009/07/11 00:14
>惑さん
あらまぁ、さっそくGoogleに拾われているんですね(^^;)。そういう心配もしましたが、伏字にするのもヘンなのでストレートにいきました。実際、品格ある源氏物語の訳にそういう言葉が使われているんですもん。
この訳は賛否両論、いや否のほうが多いかもしれないけれど、初心者向け解説書としてはとても優れていると思います。そういう意味で『桃尻語訳 枕草子』と似ているかも。
投稿: Tompei | 2009/07/11 01:34