特別展「五百羅漢」(江戸東京博物館)
昨日、お江戸三人娘で江戸博の「五百羅漢」展を見てきました。
五百羅漢といえば、目黒の五百羅漢寺の彫像や川越の喜多院の石像を思い出しますが、今回の五百羅漢は幕末に描かれた絵です。172×85センチの画面に羅漢が5人ずつ描かれ、全部で100幅。廃仏毀釈や第二次大戦を乗り越えて、増上寺に秘蔵されてきたものが一堂に公開されています。
作者は、狩野派最後の絵師、狩野一信。一信はかつて本所にあった羅漢寺を参拝して、この絵の構想を得たようです。ということは、目黒の五百羅漢寺に現存する松雲禅師作の彫像を見たのがきっかけなんですね。松雲禅師は10数年かけて536体彫り、一信は10年かけて100幅描いた。執念とも言える創作活動です。がしかし、一信は96幅まで描き終えて病死してしまい、残り4幅は妻と弟子が完成させて増上寺に奉納したそうです。最後は精神に異常を来たしたらしい。
その悲しい結末が納得できてしまうような、何とも奇っ怪な迫力でした。羅漢だけでなく、人間、動物、仏、餓鬼などあらゆるものが混沌と存在しているんです。細部まで凝っているので見ていて飽きないけれど、それをいちいち見ていたら日が暮れてしまいそうだし、その前に魂を吸い取られそう。
今まで見聞きしたことがなかったので、記念にチラシの両面とリストを貼っておきます。
江戸博鑑賞後、浅草橋の中華料理「馥香(フーシャン) 」にてランチ。陶片木さんも合流して楽しいひとときでした。江戸博よりランチがメインかも……いつものことではありますが……。
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コメント
増上寺って先日の芝にあるあそこですよね?
観れば観るほど怖いですね~
思わず羅漢とは何かをググってしまいましたが…
ランチがあるから、疲れ(?)もふっとびますね!
投稿: ゆれい | 2011/05/20 16:18
いつになく早い記事のアップではございませんか~(笑)
昨日はどうもありがとうございました。私も慌ててアップしてTBさせていただきました。
今回の五百羅漢展はかなりインパクトが強くて一度見たら忘れられないですね。
一枚描けば十分って気がしますが、これを100幅描こうってところが凄すぎます
また次回のお江戸オフもよろしくお願いいたしますね^^
投稿: ぶんぶん | 2011/05/20 17:21
ゆれいさん、ぶんぶんさん、コメントありがとうございます。
>ゆれいさん
そう、芝の増上寺です。今年は増上寺とご縁があるようです。
1枚1枚の絵にストーリーがあって、劇画風とも言えそうです。構図もいろいろ工夫されていました。
次回はご一緒しましょうね!
>ぶんぶんさん
近江もまだ1/3しか書いてないので、ちょっと焦ってきました。次のオフまでには仕上げたい!
私は何事も長続きしないので、こういう人の粘り強さを少しは見習いたいわ。……といちおう書いておこう(^^;)。
投稿: Tompei | 2011/05/20 19:41
昨日はお疲れ様でした。
おいしいお店でランチをご一緒できて嬉しかったです。
この絵、本当に細かいのですね。
このサイズが100枚もあるということですよね?
精魂込めて描き続けたのでしょうね。
絵を観ていると描いているその背中が見えるようです。
いろいろな物が混沌としているカオスのような絵と言うことでしょうか?
羅漢さんって、以前拝見した羅漢さんしか知らないので、優しいお顔や面白いお顔を想像していたのですが、まったく別なお顔を持っているものなのですね。
次回のオフもくっついていきますので、よろしくお願いします!(*^-^*)
投稿: 陶片木 | 2011/05/20 21:32
大丈夫、ゆっくりいきましょう。私はまだパリにたどりつけないまま夏になります
昨日はありがとうございました。
背景の黒が目に焼き付いて…、怖いものみたさ、みたいな絵でしたね。
これで私は増上寺クリアできた気分^^
次回もよろしくお願いいたします。
投稿: 桜桃 | 2011/05/20 22:12
陶片木さん、桜桃さん、こんばんは。
昨日はどうもありがとうございました。
>陶片木さん
1枚の絵が人の背の高さ位あってかなり大きいので、100枚展示されていると迫力がありました。それを10年かけて描いた執念のようなものが漂っているんです。うまく説明できないけれど、陶片木さんやゆれいさんのように漫画を描ける方が見たら面白いんじゃないかしら。
あの中華のお店は前から行ってみたかったので、ご一緒できて嬉しかったです。ほかのメニューも食べてみたかったわ。また行ってみたいと思います。
>桜桃さん
増上寺リベンジできてよかったですね。いきなり浅草橋まで歩かせちゃって、お疲れが出ませんでしたか?
最近はお出かけの記録しか書けなくてちょっと不本意だけど、せめてそれくらいはちゃんと完成させないとね。ま、あせらず頑張りましょう!
投稿: Tompei | 2011/05/21 22:02
江戸博と江戸オフ、展示会訪問はどうしても回数が多くなりますね。個人的にはこういうおどろおどろしいのはどうも。こちらにいるとそう簡単には行けませんが東京藝術大学大学美術館でやっている「香り展」なんかも興味深いですね。
http://kaori.exhn.jp/top.html
ランチ自体が江戸時代から続く老舗で、それがメインなんていうのも随分やっていましたかね 笑
投稿: 惑 | 2011/05/22 12:14
>惑さん
おはようございます。コメントありがとうございます。
おどろおどろしい……確かにそういう雰囲気なんですが、この世の幸不幸、善悪、正邪あらゆる側面が表現されていて面白かったですよ。見たくない面も容赦なく描かれていてどきっとしました。
「香り展」のリーフレットが江戸博にあったのでもらってきました。これも面白そうだし、「写楽」も見たいし、悩ましいです。
投稿: Tompei | 2011/05/23 07:03