特別展「写楽」(東京国立博物館)
昨日、上野の「写楽」展に行ってきました。先週末のお江戸オフの記事も書かねばなりませんが、閉幕が迫っているのでとりいそぎご紹介します。
この写楽展、写楽ファンはもちろんのこと、浮世絵に興味のある方必見です! 確認されている写楽の版画140図のほぼ全て(数点足りず)が公開されています。半数は国内から、半数は海外からここに集結。アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、ドイツ、オランダの美術館から里帰りした作品が時期ごと、芝居の演目ごとに並べられていて圧巻でした。震災で会期が変更されましたが、来日中止になったのは1点だけのようで、各美術館の協力には感謝するばかり。
同じ図柄で摺りの違う作品の色の違いが興味深い。日本の国が所蔵しているものより、個人蔵や海外のもののほうが色がよいのが何とも皮肉に感じました。また、同じ役者を写楽と歌川豊国、勝川春英らが描いたものと並べてあるのも面白かった。写楽の大首絵はデフォルメが効いていて、役者の姿が目に浮かぶようです。歌舞伎に詳しかったらもっと楽しめるんだろうな……そこが少し残念でした。
今週末12日までなので、興味のある方はお見逃しなく!
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コメント
同じ図案で刷り方が違うのは、版の番号が新しいか古いかの違いなのでしょうか?
保存状態が良いのが海外のものだとしたら、日本人はもっともっと芸術に関心をすべきですよね。
蔵に押し込んだまま時間が経過しちゃったものとかありそうですね。
海外の美術館が、秘蔵の版画を出してくれて感謝です。
震災から出し渋りと聞いていたのでありがたいです。
でも、そんなに大事な絵がたくさん海外に流れてしまったのは返す返すも残念ですよね。
投稿: 陶片木 | 2011/06/07 21:45
>陶片木さん
おはようございます。思わぬ雨の朝ですね。
版によって色が微妙に違ったり、絵によっては図柄が少し変わっているのもありました。それ以上に保存状態の良し悪しが大きいように思います。当時の日本では浮世絵は芸術品ではなく、今でいえばブロマイドや絵葉書みたいなものなので、大切に扱わなかったんでしょうね。外国に流出したおかげで今日まで残っているとも言えそうです。
所蔵の作品を貸し出すってことは人材も派遣するってことなので、外国人は余震や放射能汚染の不安がある日本には来たがらなかったらしいですね。会期を少しずらした位で開催できてよかったです。
投稿: Tompei | 2011/06/08 07:10
うわっ、観たかったなぁ
投稿: 惑 | 2011/06/15 21:38
>惑さん
実はついでがあったから出かけましたが、見逃さなくてよかったと思います。東京の暮らしはいろいろ不安もあるけれど、文化的には恵まれていますよね。
投稿: Tompei | 2011/06/16 07:22