京都ひとり旅 2015(5) 仁和寺・妙心寺・半木の道
<仁和寺>
山号:大内山。真言宗御室派総本山。本尊:阿弥陀如来。仁和4年(888)創建。世界文化遺産。仁和寺を開基した宇多天皇は出家後、伽藍の一画に御室(おむろ)と呼ばれる僧坊を建てて住んだため、御室御所という別称がある。江戸初期建立の旧紫宸殿を移築した金堂(写真最下左)は国宝。
思いがけず、仁和寺の御室桜を見ることができました。一度は見たいと思っていましたが、4月半ば以降の遅咲きと聞き、当初は予定に入れていませんでした。が、京都に行ってからスマホで調べてみたら、「満開」という情報が出ているではありませんか! スマホがなければ素通りするところでした。
御室桜は白い八重咲きの花で、背の低いのが特徴です。遠目に見ると梅のよう。硬い岩盤の上に桜の林があるため、深く根を張れず樹高が低いというのが通説でしたが、最近の調査で粘土質の土壌であることがわかったそうです。
金堂、宸殿南庭
<妙心寺>
山号:正法山。臨済宗妙心寺派大本山。本尊:釈迦如来。暦応5年(1342)創建。開基:花園天皇。禅宗寺院としては日本一の広さを持ち、七堂伽藍を中心に四十余の塔頭寺院を擁す。
塔頭の一つ、退蔵院の紅枝垂れ桜がお目当てで立ち寄りましたが、法堂と浴室の拝観ツアー(30分)に参加したら、いろいろ興味深いお話が聞けて楽しめました。
明暦2年(1656)建造の法堂(写真左上)の天井には狩野探幽の雲龍図が描かれています。撮影不可なので公式ガイドの画像を貼っておきます。直径12mもある雲龍図は、探幽が55歳のとき8年の歳月をかけて描き上げたとのこと。今まで一度も修復などの手を加えてないそうです。立つ位置、見る角度によって龍の表情や動きが変化することを実際に体験させていただきました。
修行僧が利用した浴室(写真左上)は独立した建物になっていて、明智光秀の菩提を弔って建てられたので「明智風呂」と呼ばれています。光秀は本能寺で信長を討った後、この妙心寺に引き上げ、自刃しようとしたところ、妙心寺の僧に戒められた、と妙心寺史には記されているそうです。
浴室中央にあるのが蒸気風呂(右上)。釜でお湯を沸かして下から蒸気を出す構造になっています。その周りが身体を清める洗い場。お湯が流れるように勾配があります。江戸関連の本に出ている湯屋と似ています。
浴室内部は撮影可能でしたが、ピンぼけでわかりにくい写真しかないので、公式サイトの画像をお借りしました。
退蔵院の庭園、室町期の枯山水「元信の庭」(左上)と昭和の回遊式庭園「余香苑」(右上)。余香苑の中央にある紅枝垂れ桜(下)は、2013年春のJR東海「そうだ、京都、行こう」キャンペーンに登場した桜です。
<賀茂川・半木の道>
この日最後に向かったのは賀茂川の半木(なからぎ)の道。鴨川が賀茂川と表記されるようになる上流の北大路橋から北山大橋に続く散策路です。800mにわたって八重紅枝垂れ桜のトンネルが続きます。
まさに満開! 夕日を浴びた枝垂れ桜が青空に映えます。このタイミングでこの場所に立てて幸運としか言えません。10年分の桜運を使い果たしたかもしれない。この日一日で10年分の枝垂れ桜を見たような気がします。この桜並木を立ち去り難く、振り返り振り返りしながら北大路駅に向かいました。
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コメント
スマホ大活躍の旅でしたね。自撮りされている姿を想像して吹き出しちゃいました^^;自分で撮ると真剣な顔をしちゃうから駄目なのよね~。
妙心寺の雲龍図、すごい!一度も修復されていないというのにもびっくりしました。
光秀さん、秀吉に首を取られるならここで自刃させてあげたかったな・・・
加茂川の紅しだれ桜、見事ですね!お写真で堪能させていただきありがとうございました。
投稿: ぶんぶん | 2015/05/20 17:00
旅のおともにiphoneですよね~
もう、手放せない!
ここのお写真だけ見せてもらうと、本当にドンぴしゃの良い季節に旅をされたように思います!
賀茂川の枝垂れ桜、感動しました~ ありがとうございます。
投稿: ゆれい | 2015/05/21 00:10
ぶんぶんさん、ゆれいさん、コメントありがとうございます。
>ぶんぶんさん
自撮りしている姿っておまぬけよね
自撮りでもちゃんと表情を作って撮れるようになるにはまだまだ修行が必要です。
妙心寺史が真実なら、光秀は天下を取るのが目的じゃなくて、信長を討てばよかったってわけよね。ああ、真実が知りたい!
>ゆれいさん
旅行中はiphoneを有効活用できましたが、今はラインとツムツム用になり下がってます
あっ、加茂川じゃなくて賀茂川だった! なんか違和感があったけど、そのままにしちゃった。さっそく訂正します。ありがとう!
投稿: Tompei | 2015/05/21 11:22