2005/09/02

小選挙区比例代表並立制のしくみ

 衆院選が30日に公示され、いよいよスタートしました。そこで、立候補者一覧表を見てみると、比例代表名簿の順位が同じ人が何人も並んでいます。「これって、どういうこと?」と思っていたら、今朝のワイドショーでその説明があり、納得しました。

 この小選挙区比例代表並立制は1996年の衆院選から導入され、今回で4回目になるというのに、今まで知らなかったなんてお恥ずかしいかぎり。いちおう投票は欠かさずに行っているんですけれど……。

 この制度では、有権者は「小選挙区」で個人名を投票し、「比例代表」で政党に投票します。「小選挙区」は全国を300に分けてあり、ひとつの選挙区から当選するのは一人だけ。「比例代表」は全国を11のブロックに分け、政党はあらかじめブロックごとに名簿を提出して、各党の得票の割合に応じて議員数が配分されます。

 この際、名簿で上位にいる人から当選していくわけですが、「小選挙区」との重複立候補者に限って、同じ順位に並べることができるのです。その場合、「小選挙区」で当選した候補者は名簿から抜けて、残りの同一順位候補者の中から「惜敗率」の高い人から当選が決まります。「惜敗率」とは「その候補者の小選挙区での得票数÷当選者の得票数」。

 つまり、たとえ「小選挙区」で落選しても、善戦すればするほど、「比例代表」で敗者復活できる可能性が高くなるわけです。だから必然的に、候補者は「小選挙区」でより多くの票を得るために、選挙運動に励むことになります。

 なるほど、こういうことだったんですね。この制度といい、参院選の「非拘束名簿式比例選」といい、実にややこしい! さまざまな思惑が絡み合っているように見受けられます。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2004/07/13

非拘束名簿式比例選のしくみ

 前回2001年の参院選から導入されたこの非拘束名簿式比例選のしくみが、実はよくわかっていなかった私。「個人名を書いても、政党名を書いてもOK」って、いったいどうやって当選者を決めるのか? 今さらだけど、今後のために理解しておこうと思います。

 まず、各党の個人票すべてと政党票を合計し、党の総得票を算出し、それを基にして各党の議席数を決定します(具体的な計算法は省略)。そして、それぞれの党で、個人票の多い順にその議席数だけ当選となります。

 となると、どういうことが起こるかというと、個人票が多い人が加わった党が有利になります。圧倒的な個人票を獲得できる人がいれば、その党の議席数増加につながり、個人票の少ない候補者まで当選できる。だから各党は、知名度の高い有名人をかつぎ出すことに躍起になっていたわけです。某大臣の出馬もそういうことだったのですね。

 個人票のランキングを見ると、なかなか興味深いものがあります。例えば、1位から6位までは全員公明党候補者ですが、その圧倒的な得票数(+政党票)のおかげで、2万票に満たない候補者まで当選しているのです。その反対に、木枯らし紋次郎の中村敦夫(「みどりの会議」)は、20万票以上獲得しながら落選しています。

 全国区から拘束名簿式比例代表制、そして非拘束名簿式比例選とめまぐるしく変わる参院選の選挙方法。どうやら、与党が自分たちに有利な結果を導くべく模索している結果のようですね。はたして、3年後にはどんな方法になるでしょうか?

| | コメント (5) | トラックバック (0)